【特集】気軽に食べたいワンハンドグルメ②

「道の駅」に立ち寄る楽しみといえば

地元のお母さんたちが作る地産地消の食材を使ったおにぎり。珍しいパン、ご当地マイナーおやつ。ドライブで立ち寄った「道の駅」では、そんな片手で食べられるグルメが目白押し。目的地までの旅のお供に、ぜひ「道の駅」を覗いてみませんか。

◎おでかけ・みちこ vol.50 掲載記事

［福島］
道の駅・ふるどの
ハレの日を祝うスイーツ？ご飯？

重ね重ねで二重の喜びを
古殿町に伝わるカステラ巻

「スイーツなの、ご飯なの、どっち？」。そんな声が聞こえてきそうな楽しい食べ物は古殿町に戦後から伝わる「カステラ巻」。お正月やお盆、節句や結婚式など、人が集まる際のおもてなし料理として各家庭で作られてきたそう。巻き寿司をカステラ生地で巻くので二重の喜びを表すとも言われている。

見た目もかわいい名物を購入できるのが道の駅・ふるどの。地元の明るく元気なお母さん、鈴木ウメ子さんが毎朝2時頃から全て手作りしたカステラ巻を届けてくれる。もともとは縫製の仕事をしていた鈴木さんのカステラ巻の腕前が評判を呼び、5年前から「道の駅」で商品化。「カステラが甘いので酢を少し多めに入れるのがポイント」とすっきりした味わいの秘密を教えてくれた。玉子焼き、カニカマ、さくらでんぶなど、食感も彩りも豊かな具材の中には地元産フキを甘く煮た自家製きゃらぶきも入っており、酢飯やカステラとの一体感のあるおいしさに笑顔があふれる。世代を超えて愛されるハレの日の味はお土産にもおすすめだ。

 

［宮城］
道の駅・おながわ
港町ならではの名物おむすび

鮮魚店の手作り
ボリュームも味も大満足

女川湾に向かってまっすぐ伸びるレンガ道の両脇に個性的な店舗が連なる道の駅・おながわ。一番海側の角にある「お魚いちば おかせい」の「特製おむすび」は、土日・祝日だけ提供される大人気商品だ。朝8時の開店と同時に「焼味噌ほたて」「えび天」などボリューム満点のおむすびがうずたかく積み上げられる。早朝は手軽に腹ごしらえしたい釣り人に重宝され、商店街が賑わうにつれ観光客が手に取っていく。具材の鮮度と質、絶妙な味付け、炊きたてご飯のおいしさは、食堂を併設する鮮魚店ならではの魅力だ。

昭和22年の創業から港町・女川の繁栄を支えた同店。震災後、「支援に来てくれる人にお腹いっぱい食べてほしい」と食堂を立ち上げ、その人気ぶりは町の復興に一役買った。店内には魚市場で直接仕入れるとれたての魚介が並び、寿司や総菜も充実。秋の初めまでは、浜焼きの香ばしい匂いが道行く人を誘惑する。季節が巡れば売り場の眺めも変わる。訪れるたびに海の旬を感じられる場所だ。

［秋田］
道の駅・てんのう
中身が楽しみな酒饅頭♪

和菓子、洋菓子、お惣菜
館内の加工室から続々到着

市民の憩いの場となっている複合施設「天王グリーンランド」にある道の駅・てんのう。ドライブ客や観光客のほかにも、買物や食事を目当てに多くの人がやって来る人気の「道の駅」だ。訪れた人が必ず立寄るのが、手作りのおやつや総菜、産直品が豊富に並ぶ「てんのうグリーンマーケット」。

中でも珍しさと美味しさでファンが多いのが、角煮や煮卵が入った酒饅頭だ。酒饅頭特有のしっとりとして柔らかい皮に、大きな角煮や味の染み込んだ煮卵が入り食べ応えも十分。チーズ入りや牛肉など具材のバリエーションも多くて食べ比べも楽しい。また、館内の加工室で地元のグループが作るおやきや大福、秋田の定番おやつ「麦巻き」などの和菓子、焼き菓子やゼリーなどの洋菓子、パン、そして出来立ての豆腐類が並ぶ売り場はまさにおやつ天国のようににぎやか。

「天王グリーンランド」には、レストラン、そば店、入浴場、サウナ、緑地公園、大型遊具のある広場、花壇や池、スカイタワー、グランドゴルフ場、フットボール場、ギャラリー等もあり誰もが思い思いに楽しく過ごせる。