やわらかな香りを楽しむ
「道の駅」のこだわりそば

9月から11月にかけて収穫される秋そば。東北地方でもそれぞれで採れるそばの実をこだわりの製法でおそばにして提供しています。さくさくの天ぷらや地ものを使ったお惣菜と一緒に、ずるずるっと召し上がれ。

◎おでかけ・みちこ vol.47 掲載記事


そばには季節の天ぷらがぴったり
岩手 道の駅・雫石あねっこ

看板商品の「天ザルそば」
看板商品の「天ザルそば(1,000円・税込)」。そばと揚げたての天ぷらの相性はよく、最後までおいしくいただける

栽培から提供まで
完全自家製の二八そば

岩手山南麓に広がる雫石町はそばの産地。盛岡市と秋田市を結ぶ国道46号沿いや長山街道沿いには、そば店が点在し、「そば街道」とも呼ばれている。

道の駅・雫石あねっこの敷地内にある「そば処しずく庵」は、そばの栽培から製麺まで全て自分たちで行う。品種は、甘みがよく香りが高い「にじゆたか」。収穫した玄そばをむき実にし、毎朝石臼で挽いて製麺する。

注文を受けてから茹で、冷水で締めたそばは、喉ごしもコシもよい二八そばだ。看板商品はリピーターが多い「天ザルそば」。「道の駅」の産直しずくいしに並ぶ採れたての野菜や山菜、キノコを使った旬の天ぷらも味わえる。しかも、そばつゆのほかに天つゆも付くため、そばも天ぷらも本来の味を楽しめるのがうれしい。

「道の駅」には源泉掛け流しの橋場温泉があるので、湯上がり後のそばもお勧めだ。お帰りには物産しずくいしで、雫石産の米と水で仕込んだ「清酒しずくいし」をどうぞ。

清酒しずくいし
「道の駅」オリジナル商品「清酒しずくいし」。「特別純米酒」「吟醸酒」のほか、1月からは「うすにごり」などの新酒を販売(数量限定)
道の駅・雫石あねっこ
温泉や食べ処、産直、キャンプ場(冬季休業)などが揃う

DATA ]
道の駅・雫石あねっこ
所 在 地 /
岩手県岩手郡雫石町橋場坂本118-10
■産直しずくいし・物産しずくいし・
 こびるキッチン
電  話/019-692-5577
営業時間/
[冬期]9:00〜17:00
[夏期]9:00〜17:00
   (土・日曜、祝日〜18:00)
定 休 日 /
1月1日、2024年1月16日〜18日
(メンテナンスのため)
■そば処しずく庵
電  話/019-692-0255
営業時間/
11:00〜14:30(なくなりしだい終了)
定 休 日 /道の駅に準ずる


通を気取って手繰りたい十割そば
青森 道の駅・なんごう

そば打ちキャリア30年以上の畑内さん
そば打ちキャリア30年以上の畑内さん。
マッサージに通いながら頑張っているそうだ

味と香りが強く豊かで
しっかりしたコシが特徴

夏のジャズフェスで知られる道の駅・なんごう。もう一つの名物といえば、産直施設に隣接するそば処「三稜荘」の「南郷手打ち十割そば」だ。丘陵地帯の冷涼な気候が育む南郷産の階上早生種は自前のそば畑で栽培され、そば本来の風味を楽しむために時間をかけて石臼挽きされる。だからこそ、味と香りが豊かでしっかりとしたコシが特徴のそばに仕上がるという。

毎朝8時から熟練の職人による手打ちが見学できるのも、南郷そばへの自信とプライドがあるからこそ。そば通には常識だが、つなぎなしの十割そばを打つのはとても大変だ。しかも手切りされたそばは、その美しさから機械打ちを疑われるほどなのだとか。

そば職人の方々
そば職人は地元のそば打ちを知っている女性達4人。
今日の担当は畑内よう子さん(向かって左)と澄澤みち子さん
南郷そば二味御膳
気分が盛り上がる「南郷そば二味御膳」(1,600円・税込)。
どれから食べようかつい迷い箸!

直売所には毎日限定でお土産用の打ち立てそばが並ぶが、上手に茹でるのは素人には少々難しい。だったら「道の駅」で十割そばの打ち立て・茹でたてを堪能しつつ、喉越しの良さや滋味溢れる旨みをじっくり味わってみるのがおすすめだ。「二味御膳」なら冷たいそばと温かいそばの食べ比べができるのが嬉しい。

「お土産そば」2人前(700円・税込)は打ち立てが産直へ。
昼前には売り切れてしまう

DATA ]
道の駅・なんごう
所 在 地 /
青森県八戸市南郷大字中野字舘野4-4
電  話/0178-82-2902
営業時間/
[11月〜3月]8:30〜17:00
[4月〜10月]8:00〜18:00
※「そば処三稜荘」は11:00〜19:00(L.O.18:30)
(手打ち実演は8:00〜10:00)
定 休 日 /年末年始


自家製粉の打ち立てそばに舌鼓
山形 道の駅・田沢

そば打ちの様子
手の感触だけで仕上がりがわかるのは、さすが職人技!

そば好きが太鼓判!
県内屈指のそば処

東北でも屈指のそばどころ、山形県。その中で、「蕎麦を目的に」人々が集まるのが、道の駅・田沢なごみの郷だ。

古民家風の駅舎は、地元米沢のおみやげ品や「玉こんにゃく」などのスナックも並ぶ。この「道の駅」がほかと大きく異なるのが、手打ちのそば。地元・米沢産の「出羽かおり」を、自家製粉し、その日提供する分だけ打つ。自家製粉だけに香りが高く、つゆにもくぐらせずに食べるというそば好き客もいるという。

そばを打つのは、この道8年になるという渡部徹さん。「そば粉をお湯で練って、少し寝かせてから打つんです。1回のそば打ちでできるのは8食分。1日30食限定(※)でご提供しています」。

※平日は限定30食。土日祝日は60食を提供

1食分を取り分ける
一食分180gもおおよそ見当がつくのだそう
盛りそば
「盛りそば」(900円)。
一口含めば、口いっぱいにそばの香りが広がる

12月までは新そばを提供しており、そば好きが連日列をなす「道の駅」。すっきりしたつゆは、干しシイタケやかつおだしに数種の醤油をブレンドした秘伝の味。渡部さんは「山菜そばの山菜も地元産で、自家製で塩漬けにしたものを使用しています。また、カレーそばのカレーも自家製です。ひと手間もふた手間もかけた味わいを楽しんでください」と話す。専門店も驚くような本格的な味わいをぜひ楽しんでほしい。

「しぐれ煮」や「甘露煮」
おみやげにぴったりな米沢牛を使ったしぐれ煮や甘露煮
(各1,080円)
道の駅・田沢

DATA ]
道の駅・田沢
所 在 地 /
山形県米沢市入田沢573-19
電  話/0238-31-2753
営業時間/
9:00〜18:00(12月〜2月 9:00〜17:00)
食堂は、11:00〜14:00
定 休 日 /1月1日