たまには愛車と長旅コース
日常から離れて、たまには愛車と遠くへ旅に出たい……。
夏の暑さが過ぎ去り、紅葉色づく秋の頃、涼しい風を感じながら、人里離れた場所へ気ままにドライブも乙なもの。旅の休憩には「道の駅」。新たな出会いが見つかるかも……?
◎おでかけ・みちこ vol.42 掲載記事
ここは七滝の特等席
はちみつ、りんご、ワインなど美味しい特産品も楽しみ
秋田県小坂町と十和田湖畔の発荷峠を結ぶ、「樹海ライン」と呼ばれるドライブルート・県道2号沿いに道の駅・こさか七滝がある。幹線の国道282号から脇に入ったところにあり、「道の駅」としての規模は大きくはないが、米代川の支流・小滝沢に七滝沢が水しぶきをあげて注ぎ落ちる七滝を目前に見ることができる。自然鑑賞の特等席のような「道の駅」だ。
土産物コーナーには、貴重なアカシアの花から採れた「あかしあ蜂蜜」や寒暖の差によって甘味が強いとされる鹿角リンゴの果汁を使ったシードルなど、自然の恵みに育まれた特産品が並ぶ。レストラン・滝の茶屋孫左衛門でも、十和田湖高原ポーク桃豚のトンカツがのった「七滝カツラーメン」、甘酸っぱい「山ぶどうソフトクリーム」など、この地ならではのメニューで楽しませてくれる。
小坂町は古くは、鉱山の町として栄え、山の文化が色濃く残るところ。近くには、鉱山史料館「小坂鉱山事務所」や、当時の芝居小屋「康楽館」など見どころも多い。
[ DATA ]
道の駅・こさか七滝
所 在 地 /秋田県鹿角郡小坂町上向字藤原35-3
電 話/0186-29-3777
営業時間/9:00〜17:00
定 休 日 /
無休(11月中旬〜4月中旬まで冬期休業)
レストラン/滝の茶屋孫左衛門
11:00〜14:30(平日)、10:30〜15:00(土日祝日)
ほっと一息、大自然に浸る旅へ
秘境の温泉とグルメが心身を元気にしてくれる
尾瀬への福島側の入山口に向かう国道352号沿いに、雄大な山並みに抱かれるように建物が点在する道の駅・尾瀬檜枝岐(おぜひのえまた)。広い敷地には、尾瀬トレッキングや登山、檜枝岐村観光などの情報を発信する山旅案内所や温泉施設「アルザ尾瀬の郷」、食事処・売店の「尾瀬の郷交流センター」と「山人家(やもーどや)」が立ち並び、旅人や登山者が癒しを求めてやってくる。
家族連れに人気の施設は、温泉と屋内プールを満喫できる「アルザ尾瀬の郷」。プールで遊んだ後に眺望抜群の温泉で湯浴みが楽しめるので、村内の民宿やキャンプ場の利用者も訪れるそう。お腹がすいたら、和食派は尾瀬の郷交流センター内の「レストラン水芭蕉」で檜枝岐名物「裁ち(たち)そば」を。ガッツリ派には「山人家」名物のパンチのある豚丼がおすすめ。滋味深い味わいが疲れた身体を元気にしてくれる。近くには紅葉の名所「屏風岩」や伝統芸能「檜枝岐歌舞伎」の舞台、パワースポット「橋場のばんば」などもあるので自然の中の散策を楽しんでみて。
[ DATA ]
道の駅・尾瀬檜枝岐
所 在 地 /福島県南会津郡檜枝岐村字見通1136-1
電 話/0241-75-2432
営業時間/8:30〜17:00、アルザ尾瀬の郷13:00〜17:00(最終受付16:30、土・日は10:00〜 ※4月下旬〜11月上旬)、尾瀬の郷交流センター9:00〜17:00(レストラン水芭蕉11:00〜LO16:30 ※11月〜4月の定休日は木曜)、山人家(売店8:30〜16:30、食事処11:00〜15:00 ※定休日は火・水・木曜)
定 休 日 /無休
潮風香る“海気浴”でリフレッシュ
個性豊かなテナント巡り 港町・雄勝の魅力を堪能
石巻市内から約45分、ずいぶん山に入ったな……と思うと急坂をずんずん下り、突然視界に海が現れた。リアス海岸に小さな漁港が連なる雄勝(おがつ)地区。駐車場で車を降りると全身が潮の香りに包まれる。
海に寄り添うように立つ道の駅・硯上(けんじょう)の里おがつは、多彩なテナントめぐりが楽しい。まず目を引くのがおがつ海産物直売所の大きな水槽。「漁師さんが網にかかった魚を生きたまま入れていってくれる」そうで、さまざまな海の生き物が元気に泳ぐ。これらは見学用だが、隣のいけすに入った獲れたての魚介は販売用。特にホタテは名産で、「うま味が濃いから醤油なしで食べてみて!」とスタッフが太鼓判を押す。
ランチタイムは「伝八寿司」へ。被災を乗り越え復活した名店だ。「地元の皆さんがおいしいって言ってくれるので踏ん張ってこられました」と語る店主の加納竜司さんの話に胸が熱くなる。手軽なレジャーには海から“ゼロ分”ならではの「ちょい釣り」を。「渚泊station」で釣り竿と仕掛けをレンタル、エサは購入できるので手ぶらでOK。施設の外は雄勝湾を一望できるテラスになっている。刻々と色を変える海を眺めながら優雅な時間を過ごすのもよさそうだ。
[ DATA ]
道の駅・硯上の里おがつ
所 在 地 /宮城県石巻市雄勝町下雄勝2-17
電 話/0225-25-6844
おがつ海産物直売所
営業時間/平日9:00〜16:30、土・日曜祝日9:00〜17:00
定 休 日 /無休
伝八寿司
営業時間/11:00〜16:00
定 休 日 /火曜定休
渚泊station
営業時間/10:00〜17:00
定 休 日 /月曜定休、釣り具レンタル予約は電話で0225-98-5936
ウズマキ眼鏡珈琲店
営業時間/自動販売機で営業。不定期でカフェ営業も行う
親水公園もある絶景スポット
早池峰らしいオリジナルグッズ
岩手県盛岡市と遠野市をつなぐ国道396号から花巻市大迫町の県道43号を早池峰ダム方面へ入り、10キロほど行くと道の駅・はやちねに着く。眼前に早池峰ダムを臨み、ダムを囲むように通るエーデルエコーライン沿いには6つの公園が整備され、天気の良い日には散策する人やピクニックを楽しむ家族連れの姿が見られる。
日本百名山の一座である早池峰山の登山客が立ち寄るほかは、平日は静かな「道の駅」だが、来店客が入れ替わり立ち替わり訪れる。売店に並ぶ野菜や手工芸品、「道の駅」オリジナルグッズ、姉妹都市のオーストリア・ベルンドルフ市ゆかりのグッズなどがある。また、「神楽とワインの里」として全国に知られる大迫町。「エーデルワイン」のほか、オリジナルワイン「メルロー村喜」も限定販売している。
「道の駅」の売店は11月21日(月)から冬期休業に入る。その前には紅葉シーズンが訪れ、周囲の山々は赤や黄に染まり、絶景のドライブコースとなる。ダムと紅葉のコントラストを楽しみに出かけてみよう。
[ DATA ]
道の駅・はやちね
所 在 地 /岩手県花巻市大迫町内川目第10地割30-114
電 話/0198-48-4053(村喜本店)
営業時間/9:00〜17:30
定 休 日 /火曜、冬期休業11月21日〜4月中旬
ダイナミックな海岸線をドライブ
ここにしかない魅力を体感するという感動!
青森県内でも、下北半島までくれば景色が一変する。むつ市中心部から車を走らせると、やがて美しくダイナミックな海岸線が続いていく。地元の人々には日常かもしれないが、観光で訪れる者にとっては圧倒的な非日常の風景には感動すら覚えるだろう。下北に二つしかない「道の駅」の一つが深い緑の中にたたずむ道の駅・わきのさわ。この辺りの名物は地元の漁師が昔ながらの製法で手作りする脇野沢産の「焼干し」で、煮干しの5倍は出汁が出るとも。有名なのはカタクチイワシだが、小サバや小アジなども作り手によって干し方や焼き方にこだわりがあると聞く。全て手作業で手間がかかる分店頭に並ぶ数も少なく、出会えたら本当にラッキーだ。
もし焼干しが手に入らなくても、隣接する「脇野沢野猿公苑」のニホンザルや陸奥湾に面した牛の首岬の沖合800メートルに浮かぶ文字通り鯛の形をした「鯛島」など見どころは多い。ここは休憩するだけに留まらない、訪れるだけでリフレッシュできる数少ない「道の駅」。本州北端ならではの無垢な自然美に包まれている。
[ DATA ]
道の駅・わきのさわ
所 在 地 /青森県むつ市脇野沢七引201-5
電 話/0175-44-3252
営業時間/9:00〜17:00
定 休 日 /12月1日〜3月31日の冬期休業中以外は無休
国立公園に囲まれた「道の駅」
「道の駅」に車を止めて、山の景色を歩いて楽しもう
磐梯朝日国立公園に囲まれ、町域の95%が森林という、山形県小国町。新潟県境から東へ5キロメートルほど、国道113号沿いに位置する道の駅・白い森おぐには、山形県の南西の玄関口として多くの旅人たちを迎えている。
四季折々に豊かな表情を見せるブナの森は、秋になると錦色に色づき、雪をまとって「白い森」となるための準備を始める。「道の駅」から徒歩で行ける赤芝峡は、県内屈指の紅葉の名所としても知られており、荒川に沿って片道約1.2キロメートルの遊歩道が整備されていて、紅葉狩りを楽しみながらの散歩にも最適だ。
山の景色を堪能したら、「道の駅」に戻って腹ごしらえを。「レストランあいあい」で提供している「たかきび天ざるうどん」は、小国町産雑穀のたかきびを練りこんだうどんに、町内産の季節の野菜の天ぷらがつくセット。たかきびのうどんはもちもちとした食感とつるりとしたのど越しが特徴で、いくらでも食べられそう。ぜひ、小国町の自然の恵みを堪能してほしい。
[ DATA ]
道の駅・白い森おぐに
所 在 地 /山形県西置賜郡小国町大字小国小坂町616-1
電 話/直売所0238-62-3719、レストラン0238-62-4623
営業時間/直売所9:00〜18:00、レストラン11:00〜15:00
定 休 日 /1月1日(その他 年3〜5日程度)