厳しい夏が過ぎ、日に日に涼しくなる秋の始まり。
家のなかでのんびりも良いですが、少し足を伸ばせば、赤や黄色に染まった美しい山々の景色がすぐそこに。

 


標高1,000m級の山々が連なる、白神山地の紅葉を間近に見ることができる。例年の見ごろは10月中旬頃

紅葉も日本海の幸も名水も楽しめる

 

【秋田県】道の駅・はちもり

 原生的なブナ天然林が世界最大級の規模で分布することが知られる、世界自然遺産・白神山地。裾野には広葉樹林が広がり、秋になるとブナやカエデは黄色に、モミジは赤く色づく。裾野から山頂まで秋色に染まり、地域の人や往来する人を毎年楽しませてくれる。
 道の駅・はちもりは白神山地の西端にあり、圧倒的なスケールの白神の紅葉を観ることができるビューポイントだ。車を停めて白神を眺め、深呼吸する人が多い。
 また国道101号をはさんですぐ日本海という立地のため海の幸にも恵まれ、八森漁港と岩館漁港に揚がった海産物を使った食事も楽しめる。うま味が濃厚で肉質がしっかりした天然のふぐを唐揚げにしたメニューは特に人気。これを目当てに立寄る人も多い。
 他にも八森漁港に水揚げされたハタハタを使った「ハタハタ天丼(900円・税込)」、敷地内にある白神山地を源とした名水・お殿水を使った「お殿水ラーメン(750円・税込)」など、この土地ならではの名品を味わえる。

八森産 天然ふぐ唐揚丼(950円・税込)

敷地内に流れ出る名水・お殿水は、自由に汲んで持ち帰ることができる。容器のない人のために、ペットボトル容器の販売もしている

道の駅・はちもり

所在地/秋田県山本郡八峰町八森字乙の水72-4
電  話/0185-78-2300
営業時間/9:00~18:00
定休日/12/30~1/2

 


尾瀬の玄関口で情報を発信名物の裁ちそばに心が和む

 

【福島県】道の駅・尾瀬檜枝岐

 檜枝岐(ひのえまた)村の入口にある道の駅・尾瀬檜枝岐は、尾瀬の玄関口として旅人へ情報を発信している。敷地内には、食事や買い物ができる「尾瀬の郷交流センター」や、日帰り入浴が楽しめる「アルザ尾瀬の郷」もあり、檜枝岐観光や尾瀬トレッキングの拠点として利用する人も多い。
 四季折々の雄大な自然に癒される「道の駅」の近くには紅葉の絶景スポットも多く、カメラマンに人気の「屏風岩」(南会津町)のブナ、ナラ、紅葉などが織りなす錦秋の風景は圧巻だ。遊歩道が整備され、川の近くの奇岩の上を歩くこともできる。村内にも尾瀬の名瀑として知られる4つの滝があり、なかでも「モーカケの滝」は散策もしやすく、紅葉と迫力満点の滝を眺めながらマイナスイオンを浴びられる。名物を味わうなら尾瀬の郷交流センターの「裁(た)ちそば」を。つなぎを全く使わない昔ながらのそばは、生地を折りたたまずに布を裁つように切るのだそう。歯ごたえがあり、のど越しもよく、そばの風味が口いっぱいに広がる。

伊南(いな)川の急流によって長い年月をかけ形作られた「屏風岩」。
白い岩肌に赤く染まった紅葉が映える

三角屋根が愛らしい山小屋風の建物。
「山旅案内所」の名前も持ち、隣接した施設とともにもてなしてくれる

のど越しのよい裁ちそばを堪能できる「ざるそば」(1,050円・税込)。小鉢も嬉しい

道の駅・尾瀬檜枝岐

所在地/福島県南会津郡檜枝岐村字見通1136-1
電  話/0241-75-2432
営業時間/8:30~17:00、尾瀬の里交流センター9:00~17:00(お食事処「水芭蕉」11:00~LO16:30)、アルザ尾瀬の郷13:00~17:00(最終受付16:30)(11月~4月はプールのみ営業)
定休日/無休

 


辛味噌が決め手!

オリジナルラーメン

 

【岩手県】道の駅・やまびこ館

 盛岡市から北上山地を横断し、三陸沿岸地域へ向かう国道106号は、春は新緑、秋は紅葉が楽しめる道。国道に沿うように走るJR山田線の列車と行き合うと、さらに旅情気分が盛り上がるドライブコースだ。
 この国道106号のほぼ中間地点にあるのが道の駅・やまびこ館で、車で行き交う人々の休憩スポットにもなっている。人気はレストランもうもう亭の「ドラゴン麺」。約20年前に開発されたオリジナルラーメンで、おいしさのポイントは5段階の辛さから選べる辛味噌スープにあるそう。口にすると野菜やかき玉の甘味のあとにジワジワと辛味が広がる。スープにとろみがあるため、熱さをキープしたまま最後まで味わえるのもいい。
 近くには、紅葉の撮影スポットで知られる大峠ダムがある。通過時刻にうまく合えば、川を渡る列車とダムから流れ落ちる水と紅葉を一緒に写すこともできる。秋には産直に地元産きのこも並ぶという。紅葉と食を求めて、道の駅・やまびこ館に行ってみてはいかが。

国道106号に沿って北上山地を横断するJR山田線。
沿線地域の通勤・通学の足となるローカル線だ

もうもう亭の「ドラゴン麺(850円・税込)」

道の駅・やまびこ館

所在地/岩手県宮古市川内8-2
電  話/0193-85-5011
営業時間/8:30~17:30(土・日曜、祝日~18:00)
定休日/無休

■レストランもうもう亭

営業時間/11:00~16:00(土・日曜、祝日~17:00)  ※ラストオーダーは閉店の15分前
定休日/無休

 


今年こそ見に出かけたい錦秋に染まる圧巻の紅葉

 

道の駅へのドライブはちょっとした冒険気分が味わえる。テラスからの眺めも最高

【青森県】道の駅・かわうち湖

 下北半島の紅葉シーズンは10月中旬から下旬。青森県内のなかでも見頃が少し遅れてやってくるので、見逃したという人にもおすすめしたい。森の中にたたずむ山小屋風の道の駅・かわうち湖は、神秘的な雰囲気が漂う川内川渓谷の上流、本州最北のダム湖に隣接しており、新緑とともに紅葉も県内屈指の美しさで知られる場所だ。車を15分も走らせれば遊歩道途中の「大滝休憩所」があるので、森林浴がてら散策してみるのもいい。特にセキレイ橋からの大滝の眺めは迫力があって人気だ。小石が水の流れで回転し岩を削って造りだした、珍しいおう穴群も眼下に楽しめる。
 「道の駅」の名物は紅葉に縁取られたダム湖を眺めながらいただける、ボリューミーな「かわうちダムカレー」。深い森をイメージしたレタスとブロッコリー、名産の陸奥湾ホタテのフライがサクサクで美味しい。ベビーホタテの貝殻で添えられた福神漬けにもホッコリ。食後は濃厚な味わいの「黒豆ソフト」をどうぞ。湖で30分毎に噴き上がるという噴水、天気や光の具合で虹が見られたらラッキー!

「かわうちダムカレー」(1000円・税込)は一日限定20食。
マイルドで癖になる美味しさ

地元産黒豆の粉末が練り込んである「黒豆ソフト」(300円・税込)

総ヒバ造りが贅沢な「道の駅」。周辺の木々も赤や黄に色づいてフォトジェニック!

道の駅・かわうち湖

所在地/青森県むつ市川内町福浦山314
電  話/0175-38-5108
営業時間/9:00~16:00(土・日曜、祝~17:00)
     レストラン11:00~14:30(L.O. 14:00)
定休日/木曜日(11月中旬~4月第2土曜日は冬期閉鎖)

 


山形屈指の紅葉スポットで地元産グルメも堪能する

 

山肌を真っ赤な紅葉が覆う迫力の景観で、人々を魅力する秋の赤芝峡。この自然美と横根トンネルの人工美が絶妙な対比をなしている

【山形県】道の駅・白い森おぐに

 山形県西置賜郡小国町。ここには、「日本の赤壁」と呼ばれる紅葉の名所がある。それが、赤芝峡だ。この一帯にはヤマモミジ、イタヤカエデなどが自生しており、例年10月下旬に見ごろを迎えると、峡谷の両岸が真っ赤に色づく。遊歩道もあるので、駐車場に車をとめて散策してみるのもおすすめだ。
 紅葉狩りを楽しんだ後は、車で5分足らずの場所にある道の駅・白い森おぐにへ。軽食・休憩コーナーの「ぶな茶屋」では人気の「ホワイトチョコの雑穀ソフト」でスイーツタイムを。小国町産のたかきび、ひえ、あわといった雑穀を店で炒って、ホワイトチョコレート味のソフトクリームにトッピング。香ばしい雑穀がアクセントになった一品は、大人から子どもまで愛される味わいとなっている。
 お土産には、わらびの生産量全国一位を誇る山形県、しかも地元産を使用した「白い森の白いわらび餅」をチョイス。雪をイメージした白いきな粉としっとりと甘くふわっとした食感のわらび餅は、一度食べたらヤミツキになること間違いなし!

「白い森の白いわらび餅」(1,000円・税込)は、売り切れてしまうこともあるほどの人気商品。ふわっ、もちっ!の食感を楽しんで

「ホワイトチョコの雑穀ソフト」(500 円・税込)は、香ばしい雑穀とコクのあるホワイトチョコレートソフトのコンビネーションが最高!

道の駅・白い森おぐに

所在地/山形県西置賜郡小国町大字小国小坂町616-1
電  話/0238-62-3719
営業時間/9:00~18:00(12月~3月9:00~17:00)
定休日/1/1、他年3日~5日 臨時休業有り

 


湧水育ちの岩魚(いわな)雑味なく、うま味豊か

 

色鮮やかな紅葉が水面に映り、立体的な風景を作り出す

【宮城県】道の駅・路田里はなやま

 道の駅・路田里はなやまから、国道398号を秋田県方面へ車で約7分。右手に「浅布(あざぶ)渓谷」の看板が現れる。駐車場から砂利道と原っぱを通り抜け、水音を頼りに歩くと渓谷沿いの遊歩道に出る。一帯は黄色やオレンジの見事な紅葉だ。
 この紅葉の美しさを引き立てるグリーンタフという緑色の河床も、見どころのひとつ。谷間をのぞき込むと透き通った流れが、折り重なる錦の色を映してキラキラ光る。激しく岩にぶつかってしぶきを上げたり、深く静かによどみを作ったり、幅広で優雅な滝が落ちたりと表情豊かで見飽きない。大地の営みを感じながら遊歩道を散策すれば、身も心もリフレッシュ。知る人ぞ知る穴場スポットのため、マイナスイオンたっぷりの清涼な空気を独占できそうだ。
 帰りは「道の駅」のレストランで休憩を。自然薯と蕎麦が有名だが、地元産の岩魚も絶品。冷凍ものは一切使わず、生で仕入れて毎日仕込む。栗駒の清らかな湧水で養殖された岩魚は、雑味や生臭さがなく身はふっくら。塩焼きを食べたが、上品なうま味が後を引き、あぁやっぱり素揚げもほしくなってしまった。

岩魚塩焼き(500円・税込)。
素揚げ(500円・税込)や、定食での提供もある

道の駅・路田里はなやま

所在地/宮城県栗原市花山字本沢北ノ前112-1
電  話/0228-56-2265

■レストラン

営業時間/3~11月 10:30~17:00
     12~2月 10:30~16:00
定休日/2/28~1/2