◎おでかけ・みちこ vol.51 掲載記事

くじらカレーの調理例

道の駅・なんごうからデビュー!
文化と味わう「くじらカレー」

「ジャズ&そばの里 なんごうへようこそ」国道340号沿いにある看板に書いてある通り、八戸市南郷は夏にジャズフェスティバルで賑わい、秋から冬にかけては絶品そばが食べられる地域として知られてきた。そんな道の駅・なんごうでついにデビューしたオリジナルカレーはなんと「くじらカレー」。

八戸市は海に面しているとはいえ、山の中という印象が強いこの南郷で、何故くじらが? と疑問に思う方も多いだろう。しかし、古い歴史を紐解くとこの南郷にはくじらと深い縁があるのだ。

「この地域に暮らす80歳から90歳の方の家に訪れると、くじらの髭などが残っているんですよ」と語ってくれたのは、直売所主任の秋元さん。「道の駅」オリジナル商品を今回開発した立役者の一人だ。「昭和30年頃、この地域は冬になると出稼ぎで捕鯨船に乗る住民が多かったことから、かつては捕鯨の村なんて呼ばれていました。今回「道の駅」で商品を作る時に、災害対策にもなる保存食を作りたかったので、くじら肉を使ったレトルトカレーを商品化することに決めました」

くじら肉は少々珍しく、食卓に上がる頻度が低いためあまり知られていないが、実は高タンパク、高鉄分、低カロリーでダイエット向き。さらに低アレルゲンで肉アレルギーの代用食にも使われている。栄養素も優秀で、「バレニン」という抗疲労効果成分が含まれており、疲れにくい体作りや物忘れ予防改善など効果があると言われている。さらに哺乳類なのに魚の栄養素・DHAやEPAが入っている優れものだ。

そんなくじらカレーに使用されているのは「ニタリクジラ」の赤身。秋元さんいわく、「脂身部分は味がくどくなってしまうため、あっさりとした赤身を選んだ」とのこと。食感や味わいは牛肉の赤身にそっくりで、くじらと言われないと気づかない肉質だ。

ジャズとそばに並ぶ南郷の第三の注目コンテンツになるかもしれない「くじら」。南郷の歴史について学びながら食べてみると、また一味違う旨味を感じられるだろう。


くじらカレーのパッケージ
カレー好きにおすすめ!くじらカレー

[道の駅・なんごう]
青森県八戸市南郷大字中野字舘野4-4
電話:0178-82-2902