東北をフカボリ!「道の駅」日刊ウェブマガジン「まいにち・みちこ」

まいにち・みちこ

旅するデザイナー。ヨハクデザイン代表。83年兵庫生まれ大阪芸大卒。多拠点生活×仕事。企画・デザイン・グルメ発信。余白とともに生きる社会を作る。

【岩手・盛岡】肴町アーケードを抜けた先。集中できるシェアオフィスBUNBO

持続可能で磨耗しない、クリエイターの新しい働きかたを探す。全国を旅しながら暮らし働くヨハクデザインが、働きかたや仕事の作りかた、暮らしについてお話します。

本日のオフィスはここ。
盛岡の肴町にある『十三日(とみか)』2階にあるシェアオフィスBUNBO。

 

2年半前に10年続けた会社員生活をやめ、ヨハクデザインという屋号で独立した。
「はじめまして。旅するデザイナーです。」
ご挨拶すると、まずその肩書きについて聞かれる。

仕事で現地に行く必要があるから出かけるのではなく、東京で受注した仕事とノートパソコンを連れて、好きな場所で仕事をするのがわたしのスタイルだ。

 

出かける場所は気分で決める。
夏の暑さから逃れたい。
そろそろあの魚が食べごろだ。
あの人に会いたい。
場所を決めるきっかけは、いつもそんな些細なこと。

独立してから、今の自分が本当にしたいことはなんだろう、と常に問い続けている。

新しい仕事がしたい。
今の気持ちを発信したい。
少し立ち止まって考えたい。
誰かに話を聞いてもらいたい。

 

組織という枠に合わせることに夢中になっているうちに、そんな単純な欲求も上手に隠せるようになってしまった。
本当に今やりたいこと。
確認行為は、リハビリに近いのかもしれない。

 

働いていた会社を辞めて、ちょっと怯えながら独立することを決めたとき、実は『旅する』という選択肢はなかった。
独立してまず、投資として新しいMacBook Proを買った。
「あれ?これって持ち運んで仕事できるんじゃない?」

まずは近所のカフェ。
少し足を伸ばして、海が見えるワークスペース。
もう少し、もう少し行けそう、と足を伸ばしているうちに、その暮らしは旅になっていた。

旅先で出会ったのは、これまで会社にいるだけでは決して出会うことのなかった人たち。
作家、アーティスト、職人と呼ばれる人たちから、会社員、公務員、教師、飲食店経営、農家など、さまざまだ。
手探りで続けている働きかたについて話しても、誰もバカにしなかった。

「いいね!楽しそう!」

十三日(とみか)を運営している株式会社モリノバは、まさにそんな人たちの集まりだった。
盛岡を盛り上げるために、遊休不動産を活用してまちづくりをサポートしていく。
デザイナー、不動産会社、建築デザイナー。

「一緒に盛岡で面白いことしよう!」
そう言ってくれた代表の淺野さんは盛岡のおすすめを集めた『盛岡さんぽ』というサイトを運営している。
『好き!』という気持ちが最大限に集まって肩書きになった人。

淺野さんとわたしは、同じ兵庫出身。
分野は違えど同じデザイナー同士で、名前も「アキコ」。
共通の知人に紹介してもらい、あっという間に意気投合した。

 

初めての盛岡も、夜は少し肌寒かった。確か去年の9月。
目的は十三日のお披露目会に参加することだった。

 

未踏の地『東北』は、賑やかな関西で育ったわたしには、なんとなく淋しいイメージだった。
寒くて、広くて、静かなイメージ。

盛岡の町は派手に宣伝をしてこない。
こつこつ。ひっそり。
不言実行で黙々と、そこにある。

 

そんな盛岡に、よそ者のわたしでも関われそうな十三日という場所ができた。
まだどこかよそよそしい盛岡だけど、なんとなくもう一度来てみたい。
そう思わせるのはなんだろう。

「わたしもこの場に関わりたい」

干渉されない東京を悠々と泳いできたはずのわたしは、盛岡という町に関わってみたくなった。

『BUNBO』の由来は、分数の分母。
「多くのクリエイターが分母になることで、盛岡の新しいひとづくり、ものづくり、まちづくりに様々なアイディアとデザイン、そして発信をもたらす」というイメージで名付けられた。

お披露目から半年。
2017年5月13日にオープンした十三日の2階にあるBUNBOに、わたしは月に一度『通勤』をしている。
ひっそりとそこにあった静かな町は、仕事に集中するのにぴったりだ。
仕事の合間にいただくごはんも『定番』ができた。
仕事、食事、通勤。
全てが楽しい。

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