まいにち・みちこ【東北 道の駅 日刊マガジン】

盛岡の四季がある喫茶店。桜山「パァク」へ。

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人生は当たり前の毎日が重なる一冊の本。読んだあなたのその本に挟んでいく栞になるように、日々が少し彩るようにと思いながら書いていきます。満月と新月の頃に更新。
まいにちみちこ編集室
https://my-michi.com/column/56479328/21857

「二段に重なったホットケーキの間にあんこが挟んであってね、上には四角いバターがのってるんだよ。食べるとほんとうに、しあわせになる」

わたしがParkを初めて訪れたのは、桜の季節が終わる頃。

「ホットケーキ、ホットケーキ」と前日から楽しみに桜山へ。

あれ?メニューに「ホットケーキ」の文字はない。

「桜の頃まではやるんだけどね、お客さんから2日間注文が入らなかったらその年はおしまい、って決めてるのよ。せっかく来てくれたのに、ごめんなさいね」

きっとたくさんの人に同じことを言われるだろうに、わたしにもほんとうに申し訳なさそうに、まるで一度目の質問の様に、丁寧に答えてくれた。

家に帰ってからも、この言葉はいい後味が長く長く続いた。

とっても優しい後味が。

それからParkにときどきおじゃまするようになったのだ。

青い屋根。大きなPの文字がかわいらしい看板。

メニューを見る前から、今日は決めていたんだ。

気になっていた「肉みそ」を食べてみる、って。

どうやら、パスタとうどんの二種類から麺が選べるらしい。

友人と二人で、一つずつ注文。

やさしい色合い、ニンニクも入っていないからお昼でも安心。

貝割れ大根が可愛い。

食べやすいじゃじゃ麺みたいなお味。七味をかけたり、粉チーズをかけたりして、アレンジしながらもぐもぐ。

少しするとカウンターから声がかかった。

「サラダのキャベツ、入れてごらん。シャキシャキしておいしくなるよ」

パァクで作っているものだという、すっきりしたドレッシング。キャベツの食感がいい。

メロンシュプール。

店主は、注文入るたびにピックで氷を砕く。

「こういうのひさしぶりだー!」と大きな声で呟くと、

にっこり。

あったかい空気、安心感。

今日はこれも。パウンドケーキ。

もう予定の時間だったので、持ち帰りにしてもらう。

数時間後の自分にお土産だ。

卵がたっぷり入った黄色。シャクシャクしたクルミがたくさん入っている。

とても好き。

コーヒーはネルドリップで、一杯ずつ、静かに。

カウンターは賑わっていて。

故郷の話、祭りの話、着物の話、山の話。

どんな話題も、店主はじっと目をみて聞いてくれる。

シュプールのある夏も、

ホットケーキのある冬も、

今年はここで味わうんだ。

 この記事を書いた「マイみちスト」
(すがわらまり)
盛岡市在住。聴くこと、撮ること、書くことを通して、「伝わる」ためのお手伝いを仕事にしています。

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