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まばたき写真部 活動日誌「こどもたちが写す、冬の南昌荘」

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人生は当たり前の毎日が重なる一冊の本。読んだあなたのその本に挟んでいく栞になるように、日々が少し彩るようにと思いながら書いていきます。満月と新月の頃に更新。
まいにちみちこ編集室
https://my-michi.com/column/56479328/12948

昨年末のこちらの記事の編集後記で「こどもが写真を撮る場を作る」ことを2018年の目標にする、と書きました。

そこで今回は早速、こどもたちとカメラをぶら下げて盛岡市の「南昌荘」へ伺いました。

 

記事中の写真はすべて8歳・6歳が写したもの。

「こんな風に見えてるんだなあ」と、大人とはまた違う目線を感じていただけると思います。

まずは南昌荘について、簡単にご紹介を。

南昌荘は、盛岡の実業家である瀬川安五郎が明治18年に建てた邸宅です。敷地面積、1,100坪。

二つの池と茶室を有した、景観豊かな庭園。さらに、趣ある建物からは、明治・大正・昭和・平成とすこしずつ変化しながらも、ここ盛岡にあり続けた130年という時間を感じる事ができます。

邸宅だったこの建物に「南昌荘」という名前が付けられたのは、4人目の所有者である赤澤多兵衛の頃。当時、屋敷から南昌山が見えた事が由来なのだそう。

現在はいわて生活共同組合が管理しており、2000年から一般向けにも公開されるようになりました。新緑の季節は生命力溢れる「緑」、紅葉の時期は艶やかな「赤」と、彩りにあふれた庭園は、ご結婚などの記念写真撮影場所としてはもちろん、県外から観光でいらしたお客様にも、岩手の四季と歴史を感じていただける場所として親しまれています。

  

入り口には大きな「南昌荘」の文字。

伺ったのは日中だったのですが、雪が今にも舞ってきそうな寒い日でした。

お客様はわたしたちだけの様子。受付の女性の方は、こどもたちが撮影をしている様子をみて「カメラ使えるの!すごいねえ。中もたくさん撮ってね」と声をかけてくださいました。

入園料は大人200円、小・中学生100円です。幼児は無料。パンフレットをいただき、ふかふかのスリッパをお借りして中へ向かいます。6歳の足にはぶかぶかでした(笑)

受付の引き戸を開けて進むとすぐ「わーーーあ!すごーい!」と歓声が上がりました。飾り棚が部屋をでてすぐのところにあり、キラキラピカピカしたものがたくさん。

 

カシャン  カシャン   カシャン

シャッターの音がしんとした廊下に響きます。

ここでも、受付とはまた違う方が声をかけてくださいました。

「ここのお部屋はあったかくしておきますから、寒くなったらここであったまってね」

どうやら、暖かいお部屋で抹茶とお菓子をいただくこともできるそうなのですが、早く外の庭園がみたいというこどもたちに手を引かれ、さらに先へ進みます。 

 

「3月のライオンだ!!!」そう言われて見に行くと、映画撮影時の写真やセットを再現した展示が。3月のライオンは、将棋を通して桐山零という高校生棋士の成長を描いていく人気漫画です。昨年映画化されたときのロケは南昌荘で行われていたのですね、知らずに伺ったのでわたしも驚きました。

こどもたちも原作もアニメもみていたので、この場所で知っている作品の撮影が行われたということが信じられない様子でした。

サインをみつめ、「か、かみきくんだ・・・」とつぶやく6歳女子(笑)

さて、階段をあがります。「なんかきらきらしたお部屋だ!」「つるつるでギシギシ!」

「きれいな絵があるね、ガラス?」

「この黒い壁のところ、すきだな」

この時点で体はかなり冷えていました。廊下を歩くたびにギシッギシッと木の音が鳴ります。黒い壁に、木漏れ日のようにやわらかく陽の光が踊り、大きな窓からは外の庭園の雪景色が。

「外に行こう!」

寒さに対する覚悟を決めて、いざ外へ。お借りしていたスリッパを脱ぐと、足元がひんやりしてスリッパのありがたみを感じました。

玄関から靴を持ってきて、廊下から庭園へ。

外の空気、ひやーっと冷たくきもちいい。

だんだんと夕方に差し掛かる時間帯。池には薄い薄い氷が張っています。

「はっぱさん、おみずのなかでおやすみしてるね」

池に沈んだ赤いモミジは、秋をそのまま閉じ込めたようでした。

「レアなおさかないる!」

たくさんの魚のなかに混じって、1匹白い姿を発見!

池すれすれでカメラを構えるのを、少しひやひやしながら見守ります。

 

池周りを一周。ゆっくりと歩きます。

「はっぱくんのおうち、みつけたよ!」

木の根っこの隙間に淡いモミジがかくれていました。ここにも、秋のなごりがひっそりと。

ぐるりと池のまわりを一周し終え、手もかじかんできました。

またお屋敷に戻ります。

受付の前にあるストーブで手を温めさせてもらっていると、「いい写真撮れた?」笑顔で女性の方がこどもたちに声をかけてくださいました。ひな祭りの準備で、この日はとてもお忙しそうだったのですがどの方も優しい対応で、味わい深いお屋敷と、冬の庭園を楽しく撮影できました。

声をかけて頂くたびに、どこかポカポカするようなきもちになりました。

玄関で「ありがとうございました!」とお礼を言って帰路へ。

撮った写真を見ながら、こどもたちと振り返りをします。

「めちゃくちゃさむかったねえ」

「お部屋に戻ったら、手が痒くなるくらい寒かった!」

「みんなやさしくてうれしかった」

「何歳なの?とかカメラ好きなの?とかきいてくれた」

「三月のライオン…!びっくりした!」

「池のお散歩たのしかった」

「おさかなもいっぱいいた、餌とかあげられるのかな」

「雪に猫の足跡がついてて、かわいかった!」

 

1時間ほどだったと思いますが、いろんな感想を持ったようです。

こどもたちは、徐々にシャッターを押す間隔が短くなり、しまいにはファインダーを覗きながら歩こうとする始末。危ないのでさすがにとめましたが(笑)

 

こどもたちが写真を撮る姿を見ていて思うのは、これはSNSに映えるとか、絵になるとか、そういう冷静な感情にたどり着く前に、わあ、きれい!かっこいい!かわいい!だから「撮りたい!残したい!」、という単純な気持ちの通過点があって。本当はその「きれい!だから残したい」がゴールでもいいんだよな。ということです。

自分も含め、「絵になる写真」に埋もれそうになっている大人たち。

こどもたちの写した写真から、もっとまっすぐ撮っても大丈夫だよ、と言われているような気持ちでいます。

 

今回伺った南昌荘では、2月7日(水)から3月3日(土)までのあいだ「ひな祭り」を楽しめるそうです。美しい雛飾りはもちろん、少し早いですが庭園には春の気配があるかもしれません。ぜひお出かけしてみてくださいね。

それでは、またこどもたちとカメラを携え、東北のどこかにお邪魔したいと思います!

 

 

 この記事を書いた「マイみちスト」
(すがわらまり)
盛岡市在住。聴くこと、撮ること、書くことを通して、「伝わる」ためのお手伝いを仕事にしています。

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