街を歩くと、蚊取り線香の匂いから漂う夏の景色。
今年は夏らしい暑さも特になく、肌寒い日々が続いています。
夏の実感が湧かない中、コンビニの入り口に設置された線香の匂いで、ふともう夏なのだなと実感させられる。
夏だと実感した途端、夏の風景が視界に耳に飛び込んでくるから不思議だ。
実家の青森市に帰ると、海側からねぶた囃子の練習の音が聞こえてきて、宵宮シーズンなのか、街中に浴衣を着た女性がまばらに歩いている。
今更ながら、ああ夏なのだなと思う。
そういや、もうしばらく夏祭りや花火大会の類にはしばらく行ってないや。
夏祭りには魔力があって、普段人通りがない街が多くの人でごった返し、シロップでジャブジャブのかき氷が美味しく見える。
そして、浴衣姿の友人の普段は見せない濃い目の化粧にドキッとしたりする。
そうです、僕はムッツリなのです(笑)。
さて、今回はきりたんぽ発祥の地、秋田県鹿角市。

鹿角市といえば来月8月19日~20日 に秋田を代表する祭り「花輪ばやし」が開催されますね。
鹿角市花輪地区の総鎮守である、幸稲荷神社(さきわいいなりじんじゃ)の祭典で、起源は南部藩に再建される1470年以前の火災により資料が消失してしまい不明とのこと。
囃子は時代とともに変遷し、江戸時代末期には現在の祭りの形になっていたそうです。
細かく見ると結構面白くて、町の境界へ行くと挨拶が交わされ、それが手形となって通行許可となる。

そして、20日の0時にお互いの屋台をぶつけて町境をどちらが超えたか競う喧嘩屋台が繰り広げられるなど、面白い仕掛けが沢山あります。
しばらく前に行ってきたのですが、華やかな賑わいに圧倒され、響く囃子の音と人々の沸き立つ歓声に胸が熱くなる楽しい祭りでした。
今年こそは行ってみようかな。
そして、もう一つ鹿角市の名物といえば「鹿角ホルモン」。
ホルモンと言うと関西の文化というイメージですが、鹿角市には独自のホルモン文化があるのです。
ニンニクと唐辛子をベースとした、独特の甘辛いタレに漬け込んだホルモンをジンギスカン鍋で食べ、当時鉱山が全盛期の時に労働者のお腹を満たし、やがてそれが名物として広がりました。

その元祖的お店が、創業昭和27年の老舗「ホルモン幸楽」さん。
長らく苦手だったホルモンを大好きにしてくれた個人的に記念碑的なお店(笑)。

まずは生ビール(中)¥500を頼む(笑)。
くー!最高だぜ!!

テーブルにはジンギスカン鍋があって、まず鹿角ホルモンに必要なのは、ホルモン¥340、キャベツ¥210、豆腐¥310の三点セット。
これで1000円もいかないのだから超お得。
初めての方はお店の人がやってくれるのですが、僕は常連なので自分でやる(笑)。

まずはホルモンを投入。
ジュージュー言いながらホンモンと甘いタレの香りが食べる前から食欲を刺激する。

そして、鍋の端に豆腐を並べキャベツで蓋をする。

そうすると、つけダレとキャベツの水分が煮汁となって溢れてくるので、その汁をてっぺんのキャベツにかけ、味を浸透させる。
そして、キャベツがしんなりしたらちょっとずつかき混ぜ完成!

ホルモンは豚の白モツ、ハツ、タン、ミノのほか牛センマイのミックスで、ジューシーなプリプリした食感がたまらない!
甘辛いタレが癖になり、ご飯を追加注文(笑)。
色んな食感が口の中で踊りだす。
そして、キャベツもしんなり甘くタレと絡みご飯を加速させる。
僕が個人的に好きなのが豆腐。

水分を蒸発させて、凝縮したタレが豆腐の底に絡みつき、それをご飯とともに掻き込むのが本当至福のひと時なのです。
ビールを飲みながら、最高に美味しいホルモンを食べる。
僕の中でじわじわと迫る夏。
そして、花輪ばやしと絶品の鹿角ホルモンを味わう夏の誘惑。
来月の祭りの時期にまた行こうかなぁ(笑)。
さあ、夏の鹿角の魅力に溺れよう。
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