春の到来への期待を、もう何度、気持ちがフライングしたことだろう(笑)。

この間、弘前へドライブしたら弘前公園では綺麗に桜が咲いていました。
もう、桜が咲けばこっちのものだ。
ざまあみろと、大地に、大気に、そして地球に毒づいてみる。
そして、寒いのも暑いのも嫌いな僕は、季節が春と秋の繰り返しならどんなにいいだろうとさえ思ってしまう。
さて、青森県下北半島にも徐々に春の気配が。

5月1日から恐山が開山し、6月くらいに釜臥山展望台から「光のアゲハチョウ」とも言われるむつ市の美しい夜景を見ることができます。
観光シーズンの到来とともに、本州最北の歓楽街である田名部の飲み屋街にも活気が出てきました。

春の陽気にあてられて、明るい、楽しい居酒屋で飲みたいなと行ってきたのが「めし処 かさい」さん。
ココは地元の人が勧める大人気のお店。

夜は少し寂しいむつ名店街の通りにあるのですが、通路から聞こえてくる明るい賑やかな笑い声に誘われる。
店内は多くの人で賑わっていて、お店の従業員がひたすら明るくフレンドリー(笑)。

まず僕が頼んだのは、本州最北端の造り酒屋と言われる、むつ市関乃井酒造さんの本醸造 生貯蔵酒。
下北半島にしかほとんど出回らないレアな日本酒で、おだやかな香りに飲み口はややフルーティ。
やや酸味を感じる軽やかな飲み口が美味しいですね。

そんなお酒を飲みながら、お通しがやってくる。
卵焼きの程よい甘さが美味しい。

そして人気メニューは春巻き。
揚げたてカリカリの春巻きの中にはたっぷりチーズが詰まっています。
それぞれ、キムチ、舞茸、明太子が入っていて、カリカリの後のトロトロチーズの食感がたまらない。

そして、ウニが採れ始めたらしく、ウニイカも美味しい。

そして、僕が衝撃を受けたのが、岩のりの陶板焼き。

コンロで温めた陶器がやってきて、蓋を取った瞬間、フワッと広がる、岩のりの心地よい香りが鼻腔を刺激する。
かき混ぜて食べるのですが、すごく美味しい!
海苔って食材的には脇役のイメージですが、この料理は見事に主役を張っている。
しっとりとした岩のりは少しコシがあり、口の中でふんわり広がる、踊りだすような風味がたまらない。
中にニシンの切れ込みが入っていて、その塩気と旨みがいい仕事してます。

そして、下北半島でしか食べることのできないマツモ鍋。

下北半島で取れるマツモという海藻を使った鍋で、一緒に鍋で煮込むとぬめりが出てしまうため、しゃぶしゃぶのように、サッと鍋にくぐらせて味わうのですが、くぐらせた瞬間鮮やかな緑色に変わる。

そして、食べるとシャキシャキして美味い!
潮の風味と乾燥により凝縮された旨味が美味しくて、ご飯と一緒に食べたくなります。
僕の海藻に対する価値観がガラガラと崩れる。

そして、シメはおにぎり茶漬け。
適度にわさびの効いた、優しいダシがホッとします。

従業員さんが、サービス精神が旺盛で、豊盃の写真を撮らせてくれたり(豊盃ってこんなに種類あるんですね)、レアな十四代や恵那山を飲ませてくれたり、世間話したり、気がつけば店員さんと仲良くなってしまいました(笑)。


普段無口な僕も、気がつけばペラペラとしゃべっている(笑)。
そんな陽気な接客とともに、自分の価値観が変わる程の衝撃的に美味しい料理。
岩のりやマツモは冬の厳しい時期に採れるらしく、四季がはっきりしている青森だからこそ、食べることのできる美味しい食材なんですよね。
前段のざまあみろとか、季節は春と秋だけでいいとか、広言を吐いていた僕ですが、こういう素晴らしい料理を食べると五体投地で地球に謝りたくなる(笑)。
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