人ってそれぞれ自分のフィルターを通して物事を見ている。
自分の経験、価値観、国籍や宗教等、同じ座標空間にいたとしても、それぞれ違った景色が見えている。
全く自分の興味ないことに誰かが感動したり、周りが興味ないことに僕だけ感動したり。
自分の世界が絶対ではなく、いつもと違う視点で物事を見てみると、何気ない風景が色づいて見えることがある。

この間行ってきた青森県大間町。

本州最北端の大間崎では、春の観光シーズンへ向けて、道路のアスファルト部分を補修していました。

風も柔らかく、春も本腰を入れていよいよやってくるのかなという期待を抱かせながら。

さて、大間町言えば世界に誇る高級なブランド「マグロ」。

でも、青森県民がいつもリンゴを食べている訳ではないように、大間の人たちはいつもマグロを食べている訳ではありません(笑)。
大間町へ着いた時、あえて「マグロ」という視点を外してみると、大間の人達の生活が垣間見えて、とても面白い。
また、その土地の人々の生活を知るには地元の人に人気の食堂へ行くのが、手っ取り早い。

僕の行きつけのお店は、フェリーターミナルの近くにある人気の食堂「寺川食堂」さん。

いつもお昼に行くとほぼ満席という地元の大人気店です。

ここは安くて、ボリューム満点で、しかも何を頼んでも美味しいので、そりゃ混むでしょう(笑)。

地元の友人にすすめられて以来、僕がハマっているのが、ネギラーメン¥750とから揚げ丼のハーフ¥350。
器がでかく、写真以上にボリュームがあって、から揚げ丼がもはやハーフではない(笑)。

ネギラーメンは麺が見えないほど、白髪ねぎがぎっしりにたっぷりと胡椒がかかっています。
スープはおそらくコンブと鶏ガラベースでしょうか。
少しこってり目のまろやかスープが美味しいですね。
そして後からじんわり来る、胡椒とネギの心地よい辛さが癖になります。

中細の縮れ麺も心地よく美味しいスープを運びます。
チャーシューも柔らかく美味しくて、最初は尻込みしていた量も気がつけばペロリと平らげていました。

そしてから揚げ丼はハーフですが、大ぶりなから揚げが4つも乗っかっています(笑)。

衣はサクサク、中はジューシーで、甘じょっぱいタレが美味しい。丼に乗っている再び登場の白髪ねぎも、いいアクセントになってますね。
美味しいご飯はもちろんだけれど、店員さんの明るく心地よい接客、そして、お客さんと交わす下北弁の響き、お客さん同士の今日の漁がどうだったとか、家族の話題やフェリーですぐの函館の話など、交わされる会話によって、大間の人達の生活が垣間見える、そんな温かみのある光景。
地元の人が通う食堂に行くと、決して大間の人には僕はなれないが、ちょっとばかり仲間に入れてもらえたような、そんな錯覚に陥る。
観光目線とはまた一味違った、そこに住む人達の目線。
大間にお越しの際は1日目はマグロを食べる「観光目線」、2日目は地元の人の生活を覗き見る「地元目線」で寺川食堂へ。
目線で二度楽しむ観光はいかがでしょうか?
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