先日、かれこれ10年近くも会っていない友人から結婚式の案内状が届く。
大学時代の同じ研究室の後輩で、実験の空き時間によく抜け出しては弘前の街に繰り出し、あちこち食べ歩きをしていました(笑)。
弘前の端から端まで、自転車で美味しいラーメン屋があると聞けば、ソイツと出かけ、時々市外に出て行く時もある。
果たして、僕らを突き動かしていたのは一体何だったのか?(笑)
記憶にあるのはそんな日々が、ただただ楽しかったという事。
そして、ソイツはブログをやっていたので、僕も影響を受け、ブログを始めるようになった。
僕が研究者の道から脱走し(笑)、それ以来会っていないのだが、未だに僕の熱は冷めず、東北に範囲を拡大してあちこちを旅してはブログで誰に頼まれる訳でもなく、その土地の風景や美味しいものを紹介する。
そんな僕のエポックメーキングとなるヤツが、生涯の伴侶を見つけ、俺より先に結婚するという。
なんて事だ(笑)。
さて、自分が過ごした土地に目印、ランドマーク的な場所があると、故郷を離れた時によく思い出しては懐かしくなります。
東京都なら東京タワー、大阪なら通天閣といった風に、青森市ならアスパムやホテル青森、弘前市なら岩木山や弘前城などでしょうか。
記憶や思い出を掘り起こす起点となる場所。
僕の住む下北半島にとって、そこはどこだろうと考えた時にふと思い浮かんだのは釜臥山と今回行ってきた「むつグランドホテル」なのかなと。

小高い丘にあり、下北半島の観光の拠点となるシティホテルで、設備も新しく、ホテル機能だけではなく、各種イベントが開催されていたり、敷地内に斗南温泉「美人の湯」という、ツルスベ感のある女性に人気の温泉もあり、市民にとってもよく利用されているこのホテル。

僕はそのホテルの11階にあるレストラン「スカイレストラン」でたまにランチを取るのが好きなのです。

眼下にはむつ市の街並みが見渡せ、遠くは釜臥山やむつ湾も見渡すことのできる絶景が広がります。

ココのレストランは下北半島の食材を使用したフレンチを提供していて、僕が良く食べるのはシェフおすすめランチ¥1250
メインを肉か魚のどちらかを選ぶことができ、僕は魚に。

まず、パン、サラダ、スープが来て、スープは下北半島の食材、「一球入魂かぼちゃ」を使ったポタージュ。

「一球入魂かぼちゃ」とは一株に複数個なるかぼちゃを一個に集約させて、メロン並みの糖度にしたという、むつ市を代表する特産品。
かぼちゃの凝縮された旨味と自然な甘みがいいですね。

パンは外はカリカリ、中はしっとり焼かれていて、スープに浸して食べると美味しい。
パンはおかわりすることができて、まだメインが来てないというのに2個目を頼む(笑)。
そして、ついにメインが来て、その名も「海の幸のカルファタ包みウニ風味ソース」

カルファタとは薄いプラスチックのフイルムで、オーブンやレンジで加熱することも可能なもの。
お皿にそのフィルムで包まれたものが来たのだから、少し度肝を抜かれる。

そしてフィルムを開くと、心地よい磯の香りがふわっと広がって、食欲をそそります。
ウニやホタテなどの魚介の旨味が染み出したスープをしっかり吸い取った、むつ市特産のタラは柔らかく、口に運ぶと美味い。
次に来るのはデザート。

マスカルポーネとミックスベリーのシャーベット。

ティラミスの濃厚さとミックスベリーの酸味のコントラストがいいですね。

最後はコーヒーでまったりと。
レストランの階下からむつ市街の眺望に目を落とす。
景色が広がりを見せるとその余白に意識を吸い取られるように物思いにふける。
弘前での思い出が今の僕と繋がっている。
そこにはソイツがいて、そのおかげでこうしてブロガーやライターとしてそこそこ活動できている。
もう、10年も会ってないのにソイツの幸せが何より嬉しい。
本当の友達って距離や時間軸の問題ではなく、素直に相手の幸せを自分の事のように喜べるような人のことをいうのだと思う。
むつのランドマークから、岩木山をバックに、ラーメンを追いかけていたあの日を想う。
結婚式の日は俺が大好きなアメリカのバンド、TOTOの盛岡公演の日だったんだよなーと思いつつ、僕はソイツに会いに行くことにする。
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