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『このレポートは、「日本の廃道」2013年7月号に掲載された「特濃廃道歩き 第40回 茂浦鉄道」を加筆修正したものです。当記事は廃線探索をテーマにしており、不用意に真似をした場合、あなたの生命に危険が及ぶ可能性があります。当記事を参考にあなたが廃道へ赴き、いかなる損害を受けた場合も、作者(マイみちスト)およびみちこ編集室・道の駅連絡会は責を負いません。』

茂浦鉄道 【机上調査編 第23回】

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まいにちみちこ編集室
https://my-michi.com/column/43279586/30630

【机上調査編 第2回】より、前述の「日本の廃道」では未公開の、完全新規の執筆内容となります。

 

幻の大陸連絡港と運命を共にした、小さな未成線

 

所在地 青森県東津軽郡平内町

探索日 2010/6/6

 

【机上調査編 お品書き】

 

第1章.会社設立と計画

第2章.工事の進捗と挫折

第3章.復活の努力と解散(←今回)

 

第3章.復活の努力と解散(続き)

 

東津軽鉄道計画ルート検証 その4(3マイル地点付近)

 

 

起点山口駅から3哩(マイル)(4.8km)地点の手前で峠の隧道(小豆澤越隧道)を抜けると、茂浦地籍に入り、終点の茂浦港へ向かって長い下り坂が始まる。周囲には今も昔も集落はなく、高森山の山腹を切り開いて路盤は開設された。

 

 

 縦断面図を見ると、現在地がこの鉄道の最高地点に近いことが分かる。厳密な最高地点は隧道の東口近くにあり、そこから隧道内を含め、茂浦集落がある低地に至るまでの1哩半(2.4km)にわたって、本鉄道の最急勾配である25‰(パーミル)の下りが続くという設計だった。勾配を保つために距離を稼ぐ必要があり、茂浦沢をぐるりと回り込むような大きな半円形のカーブを描いて下るような迂回する線形になっていた。

 おそらくこの辺りの車窓からは、下り行く先の茂浦港のカラフルな街並みと、それを取り囲む明るい水田、街の向こうに広がる青い陸奥湾には緑の茂浦島が間近に浮かぶ、そんな旅心を刺激する沿線きっての眺望が、楽しめたことだろう。現状は木々が生い茂っていて景色は全く見えない

隧道から約半哩(0.8km)の地点で小さな川を横断する。茂浦で陸奥湾に流れ込むこの川は、茂浦沢と呼ばれる。鉄道は茂浦沢を一基の溝橋で横断する計画だった。

そして、隧道から茂浦沢までのこの一連の区間は、茂浦鉄道の工事が最も進んだ区間だった。2010年の探索当時も、全線にわたって築堤や切通しからなる土工の痕跡が藪の中に残されており、茂浦沢には現存する最大の遺構である溝橋が、ほぼ完全な形で残っていた。

今回は、現地探索が最も充実したこの区間について、茂浦鉄道の計画を継承した東津軽鉄道の残した各種図面と照らし合わせながら見てみたい。この区間の現地探索レポートは本編第7回からであるから、合せてご覧いただくと良いだろう。

 

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 この記事を書いた「マイみちスト」
ひらぬまよしゆき(よっきれん)
廃道探索とその情報発信を生業にする、日本初のプロ・オブローダー(オブローダーとは廃道探索者)を自称。幼少を過ごした秋田県で廃道探索の面白さに目覚め、東北地方の素朴な道をこよなく愛する。様々な道路の風景の中でも、人の英知と労働が大地を穿つ形となったトンネルが、特に大好き。東京都日野市在住だが、年の半分近くは秋田で生活する。1977年生まれ。

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