
茂浦鉄道 【最終回】
【机上調査編 第2回】より、前述の「日本の廃道」では未公開の、完…
【机上調査編 第2回】より、前述の「日本の廃道」では未公開の、完全新規の執筆内容となります。
幻の大陸連絡港と運命を共にした、小さな未成線
所在地 青森県東津軽郡平内町
探索日 2010/6/6
【机上調査編 お品書き】
第1章.会社設立と計画
第2章.工事の進捗と挫折
第3章.復活の努力と解散(←今回)
第3章.復活の努力と解散(続き)
東津軽鉄道計画ルート検証 その3(小豆澤越隧道)
今回は、峠の隧道に関しての総集編としたいが、新情報もある。
峠の隧道は、現地探索において私が最も興味を引かれた存在だ。2010年6月に行った現地探索の模様は、東口(山口側)は本編第12回、西口(茂浦側)については本編第6回にそれぞれ紹介したが、いずれも深い掘割りの奥に土斜面の行き止まりがあった。明らかに人工的な掘割りが現存しているので、坑口前まで土木工事が進められていたと断定できるが、あるべき坑口は口を開けておらず、果たして地中での掘鑿がどの程度進んでいたのかは分からなかった。
この点は帰宅後の机上調査で明らかになった。会社側(茂浦鉄道株式会社)が鉄道院に申告した、着工1年後の大正2年11月時点での工事実況調書によれば(机上調査編第9回)、この時点で隧道工事の進捗率は55%であった。その後は工事の進捗がなく、同社は免許返上となるが、大正6年の東奥日報の記事(机上調査編第14回)に、やはり会社側からの伝聞情報として、「墜道の如きは遠からず貫通の予定なりという」とあるし、茂浦鉄道の復活を目指す東津軽鉄道の免許取得に関係して大正10年に鉄道省の技師がまとめた復命書(机上調査編第17回)にも、「高森山の隧道も一部崩壊せるを以て修繕には又相当費用を要すべき」とあるなど、いずれも隧道工事が地中へ相当進んでいたことを物語っている。…貫通はしていなかったようだが。
現在、この隧道が開口していない理由は、長期間の放置のために自然に崩壊して埋没したか、工事中止後に危険防止のため入口を埋め戻したかのどちらかだろうから、未だ地中には崩壊を免れた空洞が残っている可能性は高いと思われる。大正時代に掘られた“幻の隧道”が、いまも地中に眠っていることを想像するだけで私は鳥肌がたつ。
隧道の規模についても、これまでの机上調査で明らかになっている。茂浦鉄道が着工前に鉄道院に提出した施工認可申請書(机上調査編第7回)に含まれていた「隧道表」により、長さ594呎(フィート)=約181mで計画されていたことが分かった。
そしてここからは新情報。
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この記事を読んで隧道にとても興味が湧いてきました。続きが気になります。