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『このレポートは、「日本の廃道」2013年7月号に掲載された「特濃廃道歩き 第40回 茂浦鉄道」を加筆修正したものです。当記事は廃線探索をテーマにしており、不用意に真似をした場合、あなたの生命に危険が及ぶ可能性があります。当記事を参考にあなたが廃道へ赴き、いかなる損害を受けた場合も、作者(マイみちスト)およびみちこ編集室・道の駅連絡会は責を負いません。』

茂浦鉄道 【机上調査編 第8回】

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まいにちみちこ編集室
https://my-michi.com/column/43279586/29404

【机上調査編 第2回】より、前述の「日本の廃道」では未公開の、完全新規の執筆内容となります。

 

幻の大陸連絡港と運命を共にした、小さな未成線

 

所在地 青森県東津軽郡平内町

探索日 2010/6/6

 

【机上調査編 お品書き】

 

第1章.会社設立と計画

第2章.工事の進捗と挫折(←今回)

第3章.復活の努力と解散

 

 

第2章.工事の進捗と挫折(続き)

 

軽便鉄道法の鉄道開業の流れ

(青字は茂浦鉄道の現在の進捗)

 

会社の行為             国の行為

1.免許申請

                 2.免許交付

3.工事施工認可申請書《期限有》

                 4.施工認可

5.工事着手《期限有》

6.工事竣功《期限有》

7.運輸開始許可申請

                 8.監査

                 9.運輸開始許可

10.開業

 

引き続き、国立公文書館で公開されている『鉄道省文書』をもとに、茂浦鉄道の建設と挫折の物語を見ていこう。前回は、会社が提出した工事施工認可申請書が無事に鉄道庁の承認を受け、大正元年11月14日に工事施工の認可が下りたところまで解説した。

 

 

次はいよいよ工事着手(着工)となるが、工事認可の時点で、この着工はおろか、その先にある竣功についても、その期限が厳密に定められている。これは想定される工事量を勘案のうえ、国が既定するので、会社の都合は二の次であった。茂浦鉄道の場合――

着工期限

大正2年5月13日迄

竣功期限

大正2年11月13日迄 

――とされたので、施工認可の半年後までに着工し、さらに半年後までに竣功させよという指示となる。全長6.5kmほどの短い単線の軽便鉄道ではあるが、驚くべき短期日の指定である。認可からわずか1年間で、会社は鉄道の外形的な部分を全て整えることを求められたわけだ。駅や線路だけでなく、車両も含めてである。

しかし、会社が工事を始めるためにはもう一つ、独自に解決すべき大きな問題があった。それは、用地問題である。現地の探索でも、山口地区で出会った古老が、土地価格の上昇を狙って鉄道予定地を買い集めた人がいたという伝承を教えてくれたが、このような動きを上手く制しながら、出来るだけ予算内で買収を完了させ、速やかに工事を進める必要があった。

現実的な対処として、基本的に時間を要することになる用地買収は、これまで紹介したような国に対する手続きと並行して背後で進められており、全線分の買収が完了せずとも、済んだところから見切り発車的に工事を始めることが普通だった。茂浦鉄道もそうであった。

 

 

これは会社が内閣総理大臣(鉄道庁長官)に宛てた工事着手届である。認可を受けた1週間後に当たる大正元年11月21日に早くも着工したことを届け出ている。期限にだいぶ余裕を持った、悠々の着工であった。

 

茂浦鉄道の建設工事

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 この記事を書いた「マイみちスト」
ひらぬまよしゆき(よっきれん)
廃道探索とその情報発信を生業にする、日本初のプロ・オブローダー(オブローダーとは廃道探索者)を自称。幼少を過ごした秋田県で廃道探索の面白さに目覚め、東北地方の素朴な道をこよなく愛する。様々な道路の風景の中でも、人の英知と労働が大地を穿つ形となったトンネルが、特に大好き。東京都日野市在住だが、年の半分近くは秋田で生活する。1977年生まれ。

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