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浪江森林鉄道 真草沢(まくさざわ)線【最終回】

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まいにちみちこ編集室
https://my-michi.com/column/43279586/27925

林鉄界の秘宝! 幻の「三段インクライン」を解明せよ!

 このレポートは、「日本の廃道」2010年5月号に掲載された「特濃廃道歩き 第27回 浪江森林鉄道 真草沢線」を加筆修正したものです。当記事は廃道探索をテーマにしており、不用意に真似をした場合、あなたの生命に危険が及ぶ可能性があります。当記事を参考にあなたが廃道へ赴き、いかなる損害を受けた場合も、作者(マイみちスト)およびみちこ編集室・道の駅連絡会は責を負いません。

 

◆ 10:45 作業道から林道へ 

 

 

 

軌道跡が作業路に吸収され、行方不明となった地点から、そのまま作業道を400mほど南下した。道は等高線をなぞって、小さな谷を何度か回り込みながら越えており、全体的に平坦に近いため、軌道跡である可能性も疑われたが、確証を得られる発見はなかった。

やがて真草沢の本谷が近づき、新しげな砂防ダムを下に見て過ぎると、作業路は無造作に河床へ入ってこれを徒渉。対岸には、地図にない別の道が待ち受けていた。

周りは真草沢の源流域で、下流のように侵食が進んでいない、長閑やかな地形だった。いかにも水源地らしい豊かな森林が広がっていて、ところどころにスギの造林地もあった。ひとことで言えば、実り深い大森林。麓からは遠く高く、しかも途中を深い峡谷に阻まれて容易には近づけないが、林業家なら、ぜひ斧を入れたいと思うだろう“宝の山”だ。かつて一つの林鉄が、インクラインに、隧道に、困難をいくつも克服して目指した“終点”は、こんな場所であるべきだと思った。

 

 

水源地で出会った道は、林道だった。いままで歩いていた作業路は、林業上の必要から一時的に使われる簡易な道だが、林道は山林の固定資産と見なされる半恒久的な施設で、当然作業路よりも規格が高い。砂利が敷かれており、新しい轍があり、道路標識の姿も見られた。私は黙々と歩いた。既に私の目的は、林鉄の終点を目指すことではなく、目的達成後の下山に遷っていたと思う。

 

 

◆ 11:26 林道のゲート 

 

 

 

真草沢の源流から2kmばかり、下り坂の林道を歩くと、施錠されたチェーンゲートが現れた。その先には、山菜採りだろうか、1台の車が停まっていた。乗せて帰って欲しいくらいだったが、辺りに人影はなし。

 

 

この間の林道歩きは、先ほどまで歩き回った真草沢の谷を見下ろし、あるいは見晴らしながらの歩行だったが、このような遠くからでは、軌道跡はまったく確認できなかった。あんなに顔をゆがめさせて耐えたインクラインも、入り組んだ地形のどこかに秘蔵されて、端からは窺い知れなかったのである。

 

こういう慎ましさ、探索者だけに開かれた感じも、好き。

 

 

◆ 11:32 中丸木林道へ脱出 

 

 

 

さらに1kmを急坂で下ると、中丸木沢に下り着いた。そこはもう、かつて浪江林鉄の本線があり、現在は県道が通っている高瀬川とほぼ同じ高さである。下山完了ということだ。この中丸木沢沿いにも林道があり、浪江林鉄が健在だった時代には、その支線の中丸木線だった。

下ってきた林道の入口を振り返ると、「真草林道」の標識があり、昭和57年竣工と書かれていた。

 

 このあと私は、当時林鉄ファンの間で“木橋の楽園”と称されていた、中丸木線の奥地探索へ連戦するのであるが、その話はまた、いずれ。というところで今回の探索はおひらき。お疲れ様でした!

 

 

 次回、「まとめ」ます。

(重大な新情報もあるよ)

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 この記事を書いた「マイみちスト」
ひらぬまよしゆき(よっきれん)
廃道探索とその情報発信を生業にする、日本初のプロ・オブローダー(オブローダーとは廃道探索者)を自称。幼少を過ごした秋田県で廃道探索の面白さに目覚め、東北地方の素朴な道をこよなく愛する。様々な道路の風景の中でも、人の英知と労働が大地を穿つ形となったトンネルが、特に大好き。東京都日野市在住だが、年の半分近くは秋田で生活する。1977年生まれ。

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