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浪江森林鉄道 真草沢(まくさざわ)線【第14回】

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まいにちみちこ編集室
https://my-michi.com/column/43279586/27295

◆ 9:26 第二インクライン下端 

 

 

 

さあ、

やってやる!

 

 インクラインの下端に立って見上げる斜面は、覆い被さってくるような圧迫感があった。前のインクラインと比較しても、こっちの方が最初から急勾配だと思う。まるで、空に向かって突き上げるような坂道だ……!

 

飛び石伝いに跳ね渡った真草沢と、“中部軌道”の終点だった築堤を振り返る。真草沢は、必死に汗を流して振りほどいたと思ってもすぐに追いすがってくる、質の悪いストーカーみたいな沢だ。

 

だが、このインクラインで、関係はきっかり解消させてもらうぜ。お前のいない明るい山の上に、俺は行く!

 

 

突入開始! 

 

だが、最初の数歩で、早くも足に違和感が……! 前回のインクラインを乗り切ったことによる無理な疲労が、両足に刻み込まれていやがる。機械の力で上るべき設計の坂道を、肉体の力だけで上ろうとすることの無理は、インクライン探索ならではのものだと思う。

見た目の印象通り、勾配は序盤から極めてきつい。しかも、周囲が岩場ばかりであるせいか、路盤上には落葉だけでなく、大量の瓦礫も堆積していて、これが恐ろしく歩きづらかったのだ。

せっかく足を大きく上んだ刻む一歩も、踏み込むそばから、ガラガラと崩れてしまう。そうすると、滑落しないようバランスを整えるので精一杯だ。結局、ただ地団駄を踏んだみたで前に進んでいない一歩を、何度も何度も味わわされた。落葉の下にどんな岩があるかが見えないので、回避のしようもない。ただ、何度も足を上げて、抗うしかなかった。

 

 序盤から、恐ろしく汗の吹く展開だった。

 

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 この記事を書いた「マイみちスト」
ひらぬまよしゆき(よっきれん)
廃道探索とその情報発信を生業にする、日本初のプロ・オブローダー(オブローダーとは廃道探索者)を自称。幼少を過ごした秋田県で廃道探索の面白さに目覚め、東北地方の素朴な道をこよなく愛する。様々な道路の風景の中でも、人の英知と労働が大地を穿つ形となったトンネルが、特に大好き。東京都日野市在住だが、年の半分近くは秋田で生活する。1977年生まれ。

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