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第19回「LGBTQについて」

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シンガーソングライター坂本サトルが出会った音、風景、そして人…
まいにちみちこ編集室
https://my-michi.com/column/34975682/21848

先日、青森市内で行われたレインボーパレード2018にアライ(理解者・支援者)として参加した。

主催者の宇佐美さんが僕の番組にゲストで来てくれたのは3年前だったか。
5年前に始めた時には参加者はたった3人だったこのパレードへの今年の参加者は173名。
全国から駆けつけた応援チームの皆さんも交えて、大音量で音楽を流しながら繁華街を練り歩くのは、それだけでも気持ちが良かった。

9月に岩手県盛岡市で岩手県初のプライドパレード「いわてレインボーマーチ2018」を開催するという3人と。詳細は文末に。

レインボーパレードとは、いわゆる「LGBT」と呼ばれる性的マイノリティへの理解と、その人々への平等な権利を訴えながら街を歩く行為だ。そういった人達に平等な権利がないことの裏返しでもある。
1970年にアメリカで行われたデモが発端と言われていて、当時はゲイ・パレードと呼ばれた。現在では今回のレインボーパレードの他にもプライドパレード、プライドマーチ、プライドフェスティバルなど、いくつかの呼び名があるが、趣旨は同じ。「性的マイノリティが暮らしやすい社会の実現を」ということだ。

今回は、このいわゆる「性的マイノリティ」と呼ばれている「LGBT」の意味をその歴史と共にあらためて確認してみる。僕も何となくわかったような気になっていたが今回何人かの方からお話しを聞いたりちょっと調べただけでも、僕の知識などほんのひとかけらだったということがわかった。
なお、LGBTが少数派であるならばそこに属さない人達は多数派であるわけなので、今回はそれら多数派の事、人達を便宜上「普通」「普通の人」と呼ぶ。何が普通で何がそうでないかをここで語るつもりはないので悪しからず。

 

それではあらためて勉強してみるLGBTQ(「Q」については後ほど)、ついでと言ってはなんだが、言葉は聞くが実は意味がよくわからない「性同一性」「ジェンダー」などの関連用語についても。
これらの用語は基本的に元々は英語から来ているものが多く、そのため本来の意味と日本での使われ方が多少違っていたり、文化や時代による解釈の違いもある。考え方や心の問題でもあるので解説は難解だ。そしてLGBTの問題は重要な上に絶賛現在進行形なため、言葉の意味や使用する単語がどんどん変化していく。さらに厄介なことに専門的な表現があまりに多い…
えらいことになってきたが、ここは開き直って僕のフィルターを通して多少強引にまとめるしかない。出典はwikipedia。果敢にチャレンジしてみます。

●L = レズビアン
→女性の同性愛のこと。世界史的に最も古い記録は紀元前600年頃、古代ギリシアのレスボス島に住んでいた女流詩人サッポーが教え子である少女との友愛関係とされている。レズビアンという言葉はこの島の名前が語源。

●G = ゲイ
→本来は同性愛者全体を指す言葉だが、日本では主に男性の同性愛を指す。
紀元前25世紀から紀元前24世紀、エジプト第5王朝時代にカーヌムホテップとニアンカーカーヌムの墓が建てられたが、この2人の男性は恋人同士との説があり、史上最古の同性愛関係の記録とも言われている。紀元前25世紀。今から4500年前。すごく古いです。

●B = バイセクシュアル(両性愛)
→異性・同性の両方が恋愛、または性的な対象となること。普通の人の恋愛対象が人類の約半分であることに対して、バイセクシャルの人はほぼ人類全部が恋愛対象になるわけだ。正直羨ましい。

●T = トランスジェンダー
→言葉の意味自体が現在も変化し続けていて、「LGBTQ」の中で最も複雑だと思わされた。無理矢理まとめれば「生まれてきた性別と心の性別が一致しない状態」ということになるが、トランスジェンダーの中には「Xジェンダー」である人もいる。Xジェンダーはさらにいくつかに別れていて主なものは自分が両方の性別を有していると思う「両性」、性別は無しとする「無性」、中間だと思う「中性」の3つ。

●Q = クエスチョニング
→自分の性別を決定することを「迷っている」「まだ探している」状態。

●性同一性
→アイデンティティの和訳が「同一性」だと知り、目からウロコ。英語表現の方が市民権を得ている言葉もあるんだなあ。ということで性同一性とは性のアイデンティティ。つまり「自分は男性である」「女性である」という自覚の事だと解釈する。
これが普通の場合は体が男性だと「俺は男です」なわけだが、男性の体なのに自分は女性だと自覚している状態が「性別違和(性同一性障害)」。(「障害」という表現が差別を生む可能性がある、としてアメリカ精神医学界が「性別違和」という診断名を2013年に基準化した)

●ジェンダー
→英米語では性別も性行為も「sex」である。これが紛らわしいということで、単に「性別」の意味で使われるようになったのが「gender」。これが日本では一般的に「社会的性」として使われている。わかりやすく言えば「男らしさ」「女らしさ」ということ。国や社会や時代によって「~らしさ」は変わっていくわけだが、そういった一般通念にとらわれずに自分の生き方は自分で決めよう、という考え方が「ジェンダーフリー」。

●パンセクシャル
→今回新しく知った言葉。日本語では全性愛と訳される。バイセクシャルが「ほぼ人類全部が恋愛対象」である事に対し、パンセクシャルは前述のXジェンダーやクエスチョニングの人々も含め「性別を超越し人類全てが恋愛対象」。ちょっと感動しました。

 

今日のところは以上。もっと詳しく知りたい方は各自検索を。あまりの膨大な文字量と解釈の多様さ、そして専門用語の膨大さに目が眩むことだろう。
今回はwikipediaを全面的に頼ったが、wikiの中でさえもページによって説明や解釈が違っていることもあって、何が最新情報なのかを判断するのに時間がかかった。それぐらい流動的なことなのだ。当事者の皆さんには多少の違和感を感じた部分があったかも知れませんが、そこは勉強中の身ということでご容赦下さい。
それにしてもありがとうwiki。時々寄付させてもらってます。

 

ざっと挙げただけでこれだけの言葉と説明が出てくる。
さらに「身体」と「心」の所属を分けて考える必要があって、例えば今回のパレードでお話しを聞いた24才の女性は「身体は女性、恋愛対象は女性なのでレズビアン、内面の性別はXジェンダー」ということだった。このようにひとくちに「LGBTQ」と言っても数え切れないほどの組み合わせが存在するのだ。
それは調べれば調べるほど「個性」とか「性格」に限りなく近づいていって、詳細に分類すれば僕もLGBTQのどこかに属するのではないかとさえ思えた。「LGBTQ」のデモやパレードの時に「自由」「平等」という言葉が多く使われるのだが、「どんな性格でもどんな趣味を持っていようと働いて誰かの役に立って税金納めてるんだから同じ待遇にしろ!」と主張するのは全く正当な事ではないか。

今回のパレードを主催した宇佐美さんと岡田さんは女性同士のパートナーで、宇佐美さんの身体にガンが見つかったこととパレードが5年続いたことで、今年で一区切り付けるのだという。パレード中、宇佐美さんはずっと手にマイクを持って、現状を説明したり、見物に来た人達に手を振ったり、参加しているみんなを気遣ったりしてくれた。その言葉の中で今の日本の法律では同性では夫婦になれないため、大切な人を看取ることや社会保障を受けることも普通の人よりもずっと困難なのだ、ということを知った。

パレードの出発前に宇佐美さんが話してくれたことが響いた。
宇佐美さんが20数年ぶりに戻って来た青森は都会よりもずっと保守的で、マイノリティが暮らしにくい街だった。
「誰にでも帰って来やすい街にしたい。」

 

5年前の3人だけのパレードはとても恥ずかしくて、隠れるようにすすっと歩いてすぐに終わったという。
それでも2年目にも歩き、そして5年目にこれだけの人が集まった。
その勇気とエネルギーがどれほどのものだったか。

マイノリティと呼ばれる人達や、障がいを持つ人も含めた社会的弱者と呼ばれる人達が暮らしやすい社会は、きっとそれ以外の人達にもやさしい社会だ。視覚障がい者の方のためにシャンプーの容器に付けられるようになったギザギザがみんなの役に立っている、というように。

来年からのパレードの開催は未定。
宇佐美さんと岡田さんはお身体のこともあって代表から退くが、引き継ぐ人がいれば全てをお渡しします、ということっだった。話しを聞いてみたいという方はまずは僕宛に連絡を。
office@sakamotosatoru.com まで。

 

【関連ページ】

●wikipedia
https://ja.wikipedia.org

●青森レインバーパレード
https://www.facebook.com/AomoriRainbow/

●いわてレインボーマーチ
https://www.facebook.com/2018irm/

 この記事を書いた「マイみちスト」
(さかもとさとる)
1967年青森県生まれ。1992年、JIGGER’S SONのボーカル、ギターとしてメジャーデビュー。1999年「天使達の歌」でソロ活動開始。自身の活動の他、楽曲提供、プロデュース、映画等の音楽制作、ラジオパーソナリティとしても活動中。
この「マイみちスト」の作品

SOUND of SURPRISE

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皆さまよりお寄せいただいた感想はこちら (6)
  1. もやしやま さん

    「同性愛は生殖や遺伝に逆らうものであり、だから思考能力の高いヒトという種に限ったもの」というイメージがありました。それでこのコラムに触発されて調べてみましたが、ヒト以外の種にも当たり前のようにあることが分かりました。するとそこから現代の育児やハラスメントの問題にも繋がるような思考ができるようになりました。
    知るって大事。調べるって大事。
    きっかけをありがとうございます。

  2. りえぞう さん

    内容に関心が有り読ませて頂きました。それで勘違いに気付きました、私は今まで自分がバイセクシャルだと思ってましたが、パンセクシャルであったと気付く事が出来ました(今までパンセクシャルを知りませんでした)。
    レズビアンの友人から、恋人と結婚出来ない等の話を聞いたりもしていたので、もっと社会に理解が広がれば良いなと思ってました。
    勉強になりました、ありがとうございます

  3. はのひい さん

    サトルさんが記事にしなかったら正直、私は、LGBTQについて考えることはなかったと思います。

    いろんな価値観があって、それをお互いに認め合い、かつ社会が寛容であれば、社会的弱者、少数派と言われるマイノリティは苦しまずに生きてゆけるのに…と思いました。

    世界中で起きている紛争は、こういうお互いを認め合おうという理解不足からきているんだと思います。

    LGBTQの問題に限らず、多数派が正しいと考えて、その価値観を少数派に押し付けたり、排除しようとする考えは、歴史的にも社会的弱者ひどく傷つけてきたのだろう、生きづらい思いをさせてきたのだろう思います。

    固定観念のある社会の中で、理解してもらう、認めてもらうのは容易なことではないです。

    この記事を読んで、私は『諦めない』ということを教えてもらったように感じました。

    勇気を出して、行動を小さいところからでも進めてみる、理解してもらうべく一歩一歩、積み重ねていくべく行動している皆さんのお姿や、アライ(支援者・理解者)として参加されたサトルさんから学びました。

    この行動の重なりが、後世のLGBTQの人々にとっても住みやすい社会に繋がるといいなと願っています。

  4. 寒石 凍 さん

    今回は感想を書くことに躊躇いました。
    友人には「書きたいと思ったときに書いたら良い」とアドバイスを受けて、今だったらかけるかなと思い、書こうと思います。
    自分は身体は女性で、性指向は男性、性自認はどちらでもないのです。
    黙っていれば社会的生活は安定しますが、精神的には不安定です。

    もっといろんな人たちを受け入れられる社会にしたいと思っていますが、行動に移すまでの取っ掛かりが見つからずに探している次第です。

  5. ぐーめ さん

    今回の記事を読んで、ひと昔前、当時よくお世話になっていた女性が私にカミングアウトしてくれたことを思い出しました。
    その時私は「へぇーそうなんだー」とリアクションをすると、「〇〇(私の名前)らしいや!そう言うと思ったよ!」と。
    私の中では、好きになる気持ちは対象が異性でも同性でも変わらない!と言う考えだったので、驚きもしませんでした。
    それからは頻繁にお互いの恋愛相談にのりあっていました。
    その時の彼女はとても幸せそうな表情で話してました。

    色々な固定観念が柔らかい観念になることを願っています。

  6. コメは二合 さん

    自分としては、LGBTQの方々に抵抗は感じません。
    なので、様々な方々が住みやすい時代になるようにしようと今、声を挙げた方々の想いが、少しでも報われることを願っています。

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