まいにち・みちこ【東北 道の駅 日刊マガジン】

【レシピ付】日々緑濃く香り濃く。初夏のヨモギで草団子づくり

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ご近所や祖父母、両親。見聞きした昭和的暮らしとお料理のレシピエッセイ。山形県置賜(おいたま)地方の伝統を、器用な母から不器用な娘へ。受け継がれるはずが失敗したり忘れたり。日々のご飯のヒントになるかな。
まいにちみちこ編集室
https://my-michi.com/column/28170364/21199

 

お灸をすえられた経験のある人は、どのくらいいるだろうか。

私の小さいころ悪戯坊主たちは文字通り、罰として『お灸をすえられ』ていた。近所の悪童達は随分わんぱくで、女の子たちに悪態をついたり、廃屋同然の空き家に侵入して中を勝手に『秘密基地』にして家財を壊して改造したり、他所に家の木に登って幹を折ったり。

そんな悪戯三昧の男の子たちは親に捕まり、地区の公民館の一室でお灸を据えられた。年少組といつも悪さを仕掛けられていた女の子たちは、良い気味とばかりに見ていたが、もぐさを「大人しくなるツボ」とやらに置かれ、火を点けられてごめんなさいと泣きわめく悪童達は大層熱そうで、ちょっぴり、ほんのちょっぴり同情してしまった。

昭和40年代当時のお灸は下手すると跡が残るくらい強烈な物だったように思う。今はじんわりと温かくなる電子お灸? が主流だそうだが、悪戯坊主たちを瞬く間に反省させた恐怖のお灸の原料が、春になると元気に生える、美味しい草餅の材料・ヨモギだという事を知ったのは随分後だ。

ヨモギの産毛を集めて陰干しし生成した『もぐさ』を使うのだそうだが、その効き目恐るべしだった。一度すえられたお灸の恐怖のため、男の子たちが一時ではあるが随分おとなしくなったからだ。

雪が溶け春の草が芽吹く頃、地面に這うように銀色がかった薄緑色の目を出すヨモギは、桜が咲く前後からぐんぐん伸びてしゃっきりと立ちあがり、切れ込みの深い葉をたくさん伸ばして凛々しい姿になる。

それと共に香りも強く深くなってくる。柔かい新芽もあっという間に固く筋張って、幼い姿から活発な若者のような逞しさに変る。

幼い日お灸を据えられた男の子たちが、みるみるうちに背が伸び、長い手足と多感な心を持て余す、活発な思春期の少年に変ってしまったように。

今では当時の悪童の子供たちがヨモギのように伸びやかな若者になっている。

実際ヨモギにはホウレンソウやカボチャやニンジンよりも豊富な鉄分やカルシウムが含まれているという。

だがアクも香りも強い野生の草で、他の緑黄色野菜のようにモリモリ食べる事が出来ないが、草餅や新芽のてんぷらなどで香りを楽しみつつ少しずつ利用したい。

ここで大事なことをひとつ。ヨモギに限らず人家の多い土地で野草を摘むときには周囲を注意深く見よう。犬などペットの遊び場になっていないか。粗相がかからない環境にあるものを摘もう。

 

【レシピ】ものぐさ草団子


白玉粉…180グラム

水…160CCくらい

ヨモギ…片手軽く一杯くらい

ゆであずき…小1缶

(お好みでお砂糖を混ぜたきなこや黒蜜など)


(1)ヨモギは柔かい芽の部分だけを摘み、水を替えながらよく洗い、塩一つまみ入れた水に数時間みたしておく。浮いてきた小虫は除く。

(2)沸騰した湯に塩一つまみを入れ、さっと茹でる。歯ごたえを気にしないので長めの『さっと』のタイミング。

(3)冷水にとり出来れば一晩、3時間以上はみたしてアクを抜く。ここでも木屑やゴミなどが浮いて来たら丁寧にとる。

(4)ぎゅっと絞って細かく刻み、すり鉢で丁寧にすりつぶす。刻んでも筋が強いので根気よく。

(5)ボウルにあけた白玉粉に水を少しずつ回し入れながら混ぜ、粉っぽさがなくなるまで練り上げる。耐熱容器にラップを敷いて練った白玉を敷き詰め、上にも軽くラップを被せて4~5分レンチンする。全体に透明になっていたらOK

(6)ヨモギをすりつぶしてあるすり鉢に入れ、全体に混ざるように返しながら何度も突き混ぜていく。熱いうちに木べらでひっくり返しながら。出来るだけむらなく混ざるようにここは力と根気で頑張ってください。

(7)ヨモギがよく混ざった餅を一口大にちぎり、器に盛ってゆであずきをこんもりと盛る。ちぎった傍から氷水に入れて冷やすとくっつきにくい。

ヨモギがかたよっているのは見なかったことに……

市販の草餅のように餅生地全体が綺麗な緑色には染まりませんが、白地に散った緑色と香りがよく、つるりといけます。お試しを。

 この記事を書いた「マイみちスト」
(にったみわ)
山形県長井市で生まれ育った主婦。現在東京在住。上杉家と食べる事、アニメと特撮をこよなく愛する。色んな事に興味を持って飛び回っています。

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