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【レシピ付】まるで食べるカイロ!山形県民のソウルフード玉こんで年中ホカホカ♪

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ご近所や祖父母、両親。見聞きした昭和的暮らしとお料理のレシピエッセイ。山形県置賜(おいたま)地方の伝統を、器用な母から不器用な娘へ。受け継がれるはずが失敗したり忘れたり。日々のご飯のヒントになるかな。
まいにちみちこ編集室
https://my-michi.com/column/28170364/15107

 

玉こんといえば山形県民のソウルフード。

 いや待て、芋煮というキングを差し置いてその称号はなかろうという向きもあるだろうが、どっこい芋煮は季節ものである。
秋の運動会シーズン、田んぼの刈り入れシーズン、そして駆け足でやって来る長い冬の前の晴れた秋の日の河原で囲む大鍋と、どうしても季節と分かちがたいものがある。
だが玉こんは万能だ。季節を問わない。
冬の寒い日。襟元から背中、手先足先まで痺れるように寒い時も、濃い目に煮つけた熱々玉こんをハフハフと食べれば、お腹の中からホカホカになってくる。
反対に夏の暑い日にもまた格別だ。
小学生の時分、毎日のように通った地元・長井市の市民プール。飯豊連峰の麓で最上川の上流だから湧水も豊富、プールの水もその豊かな水を使っていたため、夏でも冷たい。休憩時間にしっかり体を温めないと、歯ががくがく鳴るレベルの寒さが体から去らない。そして遊泳時間が終わると、子供達の唇は紫色になっている。

そんな時にはプール横の売店の、玉こんだ。

町内会婦人部のおばちゃん達が設営しているテントの売店。その場で毎日交代で作って売られていた。

 大鍋の玉こんは、だしと醤油を注ぎ足しながら朝から煮続けられている。

基本は四つ、稀に五つ、サービスで串に刺して、おばちゃんははいっと渡してくれる。
辛子は好き好きで、友達にいいかっこしてみせようとべったり塗り、鼻と口を押さえて苦しむ男の子もいれば、何も塗らず笑って食べている女子グループもあった。
「あらあら、せつけに唇青くして寒そうだごど。コンニャク食って暖まってげ」
子供達はプールバックのポケットに親が入れてくれた硬貨で代金を払って、水着のまま、下手するとはだしで歩きながら、串刺しの玉こんを齧る。

冬の山形の真っ白い地吹雪から帰ってきた凍えた大人も、八月のギラギラ輝く陽の下のプール帰りの子供も、冷え切った体を胃袋から温めてくれる、まさに食べるカイロ。それが山形の玉こんである。
手早くできる山形の玉こん、作ってみよう。

 

【レシピ】山形風玉こん煮

玉こん…10個以上。できるだけ大粒の「玉こん」を買いましょう。

するめ…好きなだけ
醤油(味醤油)…カップ四分の一強くらい
和辛子…好きなだけ。


(1) 和辛子はチューブならそのまま、粉の辛子はご飯茶わんなどでぬるま湯を少しずつ入れて固めのドロリ状態までよく練り、茶碗を伏せておきます。(揮発成分が無くなるのを防ぐため)

(2) 玉こんをざるに開けて水気を切り、平たい鍋に入れそのまま中火にかけ、鍋を揺すりながらから炒りします。玉こんがぶるぶる動き、ギュッギュッという音を立てるまで水分を飛ばします。

(3) 醤油を回しかけ、するめをはさみで細く切って好きなだけ入れます。水分がなくなり色濃く煮あがるまで、焦げないよう鍋を回しながら煎り付けます。一度火を止め時間を置いて休ませると、味が良くしみます。

(するめが売られていなかったため、写真はお好み焼き用の切りイカを使っていますが、これでもいい味が出ます)

(4)4個くらいずつ割りばしに刺し、好みで辛子を塗っていただきましょう。

東京で買える玉こんは大抵小さいので、ぜひ山形サイズの出来るだけ大きいものを探してください。小さめものしかない時は醤油の量を控えるなど調整してください。

 するめは一緒に食べても美味しいし、他のものと一緒に煮直しても。私は千切りニンジンや厚揚げと煮ています。
するめの代わりに削り節をふわっと入れても美味しいです。あるもので応用してみてください。

 この記事を書いた「マイみちスト」
(にったみわ)
山形県長井市で生まれ育った主婦。現在東京在住。上杉家と食べる事、アニメと特撮をこよなく愛する。色んな事に興味を持って飛び回っています。

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