久慈市にある超絶オシャレなカフェといえば、皆さんご存知「NANAMARUNI COFFEE」です。

 実はこの店のオーナー・嵯峨さんへのインタビューは、今回で2回目。一度目はお店がオープンして半年ほど経った頃のことでした。その時もオシャレな店内とあまりの心地よさに仕事を忘れかけましたが、今回はさらにパワーアップしていらっしゃいました。

 

以前はアパレル関係の仕事をしていたという嵯峨さん。 オシャレだけどくつろげる…このさじ加減が絶妙です。

 

 もともと久慈の町には食事がメインの喫茶店はあっても、コーヒーを味わうための専門店はなかったのだそう。そのため嵯峨さんが「久慈でカフェをやりたい」と言うと、ほとんどの人に「ここでやっても流行らないよ」と反対されたそうです。

 

 それでも彼は「1人で気軽に入れる心地よいカフェを作りたい」と、2018年5月に「NANAMARUNI COFFEE」をオープン。今ではすっかり町に溶け込み、今年1月には久慈市初となるコーヒーフェスティバルを主催。盛岡や八戸、仙台からもコーヒーショップが出店したほか、生演奏やヒップホップダンスのステージなども盛り込み、来場者数1,000人超えの大盛況となりました。

 

手作りのスコーンも人気です

 

 さらに今年は焙煎機購入のため、クラウドファンディングにも初挑戦。コーヒーフェスティバルの成功や、「こんなカフェがほしかった」という声を聞き、自家焙煎をすることで町にその香りを漂わせ、コーヒーの文化を根付かせたいと考えたのです。

 

香り立つコーヒーと、何気ない会話が幸せな時間を紡ぎ出す

 

 「クラウドファンディングを始めてすぐの時は、失敗したかなと思いました」と語る嵯峨さん。町のためにという思いはあっても、どうしても「自分の店に焙煎機を入れたいから協力してください」と聞こえてしまう。思いを伝えることの難しさを実感したといいます。それでもお客さんやさまざまな人たちの協力によって、見事に目標達成!「NANAMARUNI COFFEE」に、待望の焙煎機がやってきました。

 

はい、どーん!カッコイイ!!

 

 「もちろん焙煎機を購入できたことも嬉しいですが、それ以上にいろんな人とのつながりを再認識できたことが、自分の中でとても大きいことでした。挑戦して良かったと思っています」

 たくさんの思いが詰まった焙煎機で試行錯誤することしばし。現在はオリジナルブレンドコーヒーと、苦味・酸味・香味というジャンルごとに焙煎した3種類、そしてマンスリーコーヒーの5種類に落ち着きました。

 

もちろんテイクアウトもOK

 

 「久慈にはコーヒーそのものを楽しむ店が少ないからこそ、誰でも美味しいと思える『こだわりすぎない味』を目指しています」

 その言葉通り、一口飲んだ瞬間「あ、美味しい」とつぶやき、そのままコクコクと飲めてしまう優しい味わいが特徴の「NANAMARUNI COFFEE」。この味をきっかけにコーヒーの美味しさを知る久慈っ子たちは幸せだなぁ…と、思わずしみじみしてしまいました。

 20代の頃は「仙台でアパレルの店を出したい」という夢を抱き、地元へ戻ることは全く考えなかったという嵯峨さん。それが当時、ルームシェアをしていた同郷の男子たちと話すうちに「もっと久慈を盛り上げたい」という思いが湧き上がり、カフェのオープンを決意しました。

 店名の「NANAMARUNI(702)」は、シェアしていた当時のルームナンバー。久慈へ戻り店を開くきっかけをくれたあの場所のように、このカフェも「いつか誰かのきっかけになってくれたら嬉しい」と嵯峨さんは語ります。

 

 一杯のコーヒーをきっかけに、人が変わり、街が変わる。そんな可能性を感じさせてくれる素敵なお店です。

 

 

NANAMARUNI COFFEE

岩手県久慈市二十八日町2-21

TEL:0194-66-7655

営業時間:10時~20時

定休日:火曜日