ところで皆さん。下半身、元気?(スクワット続けてますか?の意味ですよ)

東北でのマイカー通勤のデスクワークは、はっきり言って健康的じゃない。door-to-doorの生活にメリハリをつけるには、1日たった5分のスクワットが効果的なのだ。40代を過ぎたらスクワットですよ。

さて、連載始めてからブレーメンさんに映画ネタを取られてしまった私のムズムズを察してくれていた数少ない読者の皆さん、大変お待たせいたしました。今回は思いっきり映画とロックで振り切れた私をご覧いただきましょう。なおブレーメンさんにはヒーローにインタビューしていただき、「君も世界を救える!/アベンジャーズになる方法」を個人的にリクエストしておきます。(アベンジャーズ/エンドゲーム 2019年4月26日(金)全国公開!)

 

止めてくれるな

 

映画「ボヘミアン・ラプソディ」はもう観ただろうか?日本では11月9日の公開から既に2ヶ月ほど過ぎているというのに、年明けの映画館は超満員。まさかの最前列中央しか席が空いておらず、視界からはみ出すほどの迫力で楽しめた(が首がつらい)。

クイーンは才能溢れるヴォーカル フレディ・マーキュリーが亡くなった今も音楽活動を続けているイギリスのバンド。結成は1973年なので、平成生まれの方には縁がなさそうと思いきや、映画観賞を終えた若い(きっと私よりふた周りほど若い人達の)グループが「ドン、ストッミーナ~♪」と歌いながら街に消えていったのを見る限り、年齢制限の無い稀有なロックバンドとして受け入れられている様子だ。きっと彼らはあの後「止めてくれるな飲み会」で盛り上がるのだろう。

洋楽好きの、ハードロック・ヘビメタ好きの私にクイーンブームが訪れたのは、実はフレディが亡くなってからのこと。その前から知ってはいたし聞いたこともあるが、なんというか、こう、タイツを履いたヴォーカルがクネクネするステージパフォーマンスに、こんなのは俺のロックじゃねぇと思っていた。デイビット・カバーデイル率いるホワイトスネイク、ボンジョビ、ひいては重いリフが永遠に続くような重厚なサウンドと咆哮するヴォーカルのメタリカ、壮大な叙情詩を変拍子とドラマチックな展開で魅了するドリームシアターなどなどに比べると、1つのカテゴリーにはまらないクイーンは私の中でも異質の存在であったのだ。

ただし、洋楽のロックバンド特有の、コーラスパートをバンドメンバーで歌うという私が好きな要素は外しておらず、特別好きにというポジションには収まらなかったものの毛嫌いするようなバンドでもなかったのだ。実際フレディは「バレエを普及する」と宣言してそういった活動もしていたため、たまたま私がみたロックバンドのヴォーカルが男のバレリーナという、そういった絵に免疫のない日本男児に衝撃だっただけなのかもしれない。

「ああ、クイーンね。知ってるよ」という、洋楽ロックの知識はありますよ的な使い方だった。日本国内ではクイーンは相当人気はあったはずだが、人気があればあるほど「ロックじゃねぇ」と思っていたに違いない。へそ曲がりロックだ。

しかし、フレディの死去のニュースだけはへそ曲がりの耳にも届いた。

デッサン用ポーザーはフレディのマネできない

 

Let me live に込められた想いとは

 

彼が亡くなった4年後にクイーンとしての最新アルバムが発売される。「メイドインヘヴン」だ。収録曲の「I was born to love you」は、日本では某ビールのテレビCMや、某ドラマのタイトル曲に使用されていたため、聞いたことがある人も多いのではないだろうか。野球好きなら、千葉ロッテマリーンズや北海道日本ハムファイターズの試合でも聞いたことがあることだろう。

バンドメンバーが亡くなった後にバンドが存続している場合、メンバーを入れ替えてアルバムをリリースすることが多い。洋楽ロックバンドの場合、メンバーが入れ替わることはよくある話だし、入れ替わる事で変わるサウンドを楽しんだりすることができるのも醍醐味の一つなのだ。ジャーニーがスティーブペリーの後釜を迎えて出したアルバムを聴いた時は鳥肌が立った。違う意味で。

ところがこの「メイドインヘヴン」のメインヴォーカルはフレディのままなのだ。そこが私の関心を引いた。まぁタネを明かしてしまえば、亡くなる前に録っていたヴォーカルパートやソロプロジェクトのサウンド差し替えなどで作ったアルバムではあるのだが。

しかし、だ。

このアルバムに収録されている曲「Let me live」を聴いてほしい。
いったい、どんな気持ちで書いた曲なのか。
Let me~は「◯◯させてくれ」という意味だ。つまり let me live は「生きさせてくれ」。

(Let me give you an example. と言われたらそれは「ひとつ例をあげよう」という意味ね)

「ワークス(1984)」というアルバムセッションのために、ロッド・スチュワートとジェフ・ベックと共に作られた曲とある(*)が、それにしてもフレディが関わる楽曲には生と死がテーマにある曲が多い。映画のタイトルにもなっている「ボヘミアン・ラプソディ」も曲の冒頭に生と死が垣間見れる。

「神よ、あなたは(命を)奪う。私は与える。生きるというたった1つのチャンスを聞いてはくれまいか」

なぜフレディはこう思ったのだろう?
(死期が近いことを知ってしまい)生きることを渇望する状態だったのか?
それとも死という運命から逃れられない私たち人間を代弁したかったのか(もちろんフレディ自分自身を含めて)。

http://www.ultimatequeen.co.uk/queen/songs/made-in-heaven.htm

クイーンは1985年7月にライブ・エイドに出演する。
ライブ・エイドはアフリカ難民救済のためのチャリティーコンサートだ。ライブ・エイドに出演するまでのくだりは映画をご覧になって確かめてほしい。これらは「メイドインヘヴン」がリリースされるはるか前の出来事なのだが、それに想いを馳せながら聴く「Let me live」は胸に熱いものが込み上げてくる曲なのだ。美しいコーラス、バンドメンバーがヴォーカルパートを交代で歌う珍しい構成もさることながら、この曲に込められた意味をフレディ自身と重ね合わせるのも良し、身近な誰かに重ねてみるのも良いかもしれない。

 

ライブ・エイドって?

 

小林克也の「The Best Hit USA」を見ていた皆さんには説明不要かと思われるが、海外の音楽事情に詳しくない方々に簡単に解説しよう!

1984年エチオピアで起こった飢餓を受け、イギリスとアイルランドのミュージシャンが主意に賛同して結成されたのがバンド・エイド。これが成功を収め、アメリカではこれに触発されて「USA for Africa」が結成され「ウィー・アー・ザ・ワールド」が発売される。バンド・エイドの発起人ボブ・ゲルドフがアフリカ難民救済と声を上げこれに賛同した多くのミュージシャンがイギリス内外で集まって開催されたチャリティーコンサートがライブ・エイド。クイーンは参加者の中で最多となる6曲を演奏するのだが、ライブ・エイド全体でどれだけのミュージシャンが参加したのか名前を挙げるときっと腰を抜かす。

ざっと挙げただけでも、

  • エルヴィス・コステロ
  • シャーデー
  • スティング
  • フィル・コリンズ
  • ポール・ヤング
  • U2
  • クイーン
  • デヴィッド・ボウイ
  • エルトン・ジョン
  • ワム!
  • ポール・マッカートニー

これは、イギリス会場(ウェンブリースタジアム)。名前を見ただけでも気絶しそうな面々。そして、アメリカ会場の面々を見たら、泡を吹き腰抜かす。

  • ジャック・ニコルソン、ベット・ミドラー
  • ビリー・オーシャン
  • ブラック・サバス featuring オジー・オズボーン
  • RUN D.M.C.
  • リック・スプリングフィールド
  • REOスピードワゴン
  • ジューダス・プリースト
  • ブライアン・アダムス
  • ビーチ・ボーイズ
  • プリテンダーズ
  • サンタナ、パット・メセニー
  • マドンナ
  • トム・ペティ & ハートブレイカーズ
  • ケニー・ロギンス
  • エリック・クラプトン
  • フィル・コリンズ
  • レッド・ツェッペリン
  • デュラン・デュラン
  • ダリル・ホール & ジョン・オーツ
  • ミック・ジャガー(ローリング・ストーンズ)
  • ボブ・ディラン
  • ライオネル・リッチー

なお、フィル・コリンズの名前がこちらにも登場しているが、彼はイギリス会場で歌い終え直ぐに超音速旅客機コンコルドでアメリカ会場に向かったという。やることが凄いんだ、フィル。

そして、メイン会場以外でもこれらのアーティストが参加をしている。

オランダ会場ではB.B.キング、オーストラリア会場ではINXS、そして日本会場では…

  • オフコース
  • 矢沢永吉
  • LOUDNESS
  • 佐野元春
  • チェッカーズ
  • チャゲ & 飛鳥
  • 杏里
  • さだまさし
  • 南こうせつ
  • 安全地帯
  • イルカ
  • 谷村新司
  • 長渕剛
  • HOUND DOG
  • ラッツ & スター
  • THE SQUARE
  • 杉山清貴 & オメガトライブ
  • 白井貴子 & Crazy Boys
  • 中原めいこ

※私個人が存じあげないアーティスト名は割愛しております。悪しからず。

中原めいこが歌った曲は「ロ・ロ・ロ・ロシアンルーレット」ですよ。テレビアニメ「ダーティーペア」の主題歌じゃなかったかな。いや~懐かしい!懐かしい上に、すんごい面々がそろってしまって、もう泡を吹き腰を抜かして気絶します。もう丁寧語で言っちゃいます。

イギリスやアメリカを中心としたチャリティーブームの規模に驚くと同時に、出演料はきっちり確保しておいて、市民から集めた募金だけを寄付するような日本国内のチャリティーを見るとなんだかなぁと思ってしまうのは私だけではあるまい。

さて、フレディ死後の「メイドインヘヴン」が私にとって最初のクイーンブームだった。
紳士淑女の皆さんは「遅ぇ~よ」と思うかもしれない。型にはめられない自由さを求めた洋楽好きだったはずなのに、実はそうではなく、洋楽ロックという型が好きだったのだ。その型にはまらないクイーンは若い私にとって「俺のロックではねぇ」だった。大人になって色んな経験を重ねてきて分かる味にようやく気付かされたのだ。若いときには多様性を受け入れられず「型」にこだわり、歳を取ってその良さに気付いたというわけだ。(普通は逆なのかしら?)

 

第2次クイーンブーム到来!

 

そして今、私に第2次クイーンブームがやってきた。

流行に乗り遅れるのが得意なはずなのに、今世界中で観られている「ボヘミアン・ラプソディ」を皮切りに、クイーンのライブ映像を手に入れ、マイカー通勤中はドンストッミーナー♪仕事はもちろんロックユーしている。ウェンブリースタジアムの天井に穴を開けるつもりで仕事している。(ウェンブリースタジアムに天井は無い)

第1次クイーンブームと第2次の間に高速道路で単独事故を起こし、「Let me live」が脳内再生されたことは言うまでもないが、今は、彼らが全盛期に駆け抜けた時代と私の青春時代と今を生きる自分を謳歌せんとクイーンを聴きまくっている。たぶん彼の倍の時間を生きるであろう自分がどんな生き方ができるのかを自問する意味でも、今の私にとって第2次クイーンブームは必然的に訪れたのだと思う。

とにかく映画はオススメしたい。

洋楽に全く興味の無い妻を無理矢理映画に付き合わせたが、私以上にハマっていたのは妻のほうだった。それ以来、歌詞に込められた意味を語り合ったり、映画のシーンを反芻する時間があったり楽しい時間が過ごせたのは、映画鑑賞券以上におおきなお釣りが出たようなものだ。

カップルで、親しき友を誘って、もちろん1人でもいい。映画館なんていつ行ったよ?とかなりのご無沙汰でもいいし、とにかく色んな年代の人が見に行くこの映画は、あなたにとってもきっと何か得られるものがあるはずだ。

映画「ボヘミアン・ラプソディ」がゴールデン・グローブ賞 作品賞&主演男優賞獲得しました。
おめでとうございます。

 

 

上映館のご案内~♪

まだまだ人気が衰えないといった感じの映画「ボヘミアン・ラプソディ」は、大迫力で見られる映画館での鑑賞をおすすめする。最寄りの映画館へ急げ!ロックユー!

(リンク先で上映時間をお確かめくださいね)

■青森県

TOHOシネマズおいらせ下田

イオンシネマ弘前

青森コロナワールド

フォーラム八戸

シネマヴィレッジ8・イオン柏

青森松竹アムゼ

■岩手県

イオンシネマ北上

フォーラム盛岡

■宮城県

TOHOシネマズ仙台

MOVIX仙台

MOVIX利府

チネ・ラヴィータ

イオンシネマ石巻

イオンシネマ名取

109シネマズ富谷

ユナイテッド・シネマフォルテ大河原

シネマ・リオーネ古川

■秋田県

TOHOシネマズ秋田

ルミエール秋田

イオンシネマ大曲

■山形県

ソラリス・フォーラム山形

MOVIE ON やまがた

イオンシネマ米沢

イオンシネマ三川

イオンシネマ天童

フォーラム東根

鶴岡まちなかキネマ

■福島県

イオンシネマ福島

フォーラム福島

ポレポレシネマズいわき小名浜

 

珠玉のヒットナンバーが収められたマストバイはこれ!これで車の中はドンストッミーナ〜♪

クイーンベストI(Greatest Hits)

クイーンベストII(Greatest Hits II)

クイーンベストIII(グレイテスト・ヒッツ3 〜フレディ・マーキュリーに捧ぐ)

Made in Heaven(I was born to love you, Let me live, 他収録)

 

映画と見比べるのもいいかも?クイーンのライブパフォーマンスを焼きつけろ!

ロック モントリオール&ライブ・エイド(Blu-ray)

 

年を経た今、クイーンは、フレディの生き様は、最高にロックだったと私には思える。