一日過ぎてしまいましたが。というか、記事タイトルで既にバレバレではありますが。
昨日12月9日は

ではなく、「大黒様の御歳夜(だいこくさまのおとしや)」の日でした。山形県庄内地方ではですが。
「大黒様の御歳夜」は、同地域で江戸時代中期頃から続いているらしい伝統行事です。

「大黒様の御歳夜」に舞われる舞は「大黒舞」という舞で、室町時代から江戸時代にかけて広く行われた門付け芸(かどづけげい・今で言う民俗芸能や郷土芸能)が由来の舞。百数十年前に出雲地方から伝わり、昭和初期に今の形になったそうです(※これも諸説あります)。
地域によって振り付けや衣装の色合いなどが少しずつ異なるようですが、

さて、私の実家でも毎年「大黒様の御歳夜」が行われております。名家でも商家でもないド庶民の家なので、舞は舞わずお膳をお供えするくらいですが。
「大黒様の御歳夜」のお膳は、大体こんな感じです。

地域や家庭によって、副菜に黒豆(おせちのアレ)が加えられたり納豆汁に酒粕や鶏肉が加えられたりと様々なようです。
ハタハタは近年不漁らしいし、まっか大根も普段はない品だし、
はりはり漬けも切り干し大根・昆布の細切り・人参・青豆・数の子などが必要、
納豆汁も芋の茎(カラドリイモの茎の乾物)・もだし(ナラタケという茸を塩漬けにしたもの)やワラビの塩漬けが必須。
材料を揃えるだけでも一苦労だよなあ…と思っていましたら。

すごいな、庄内のスーパー!芋煮会セットだけじゃなかったのか!
(参考記事;芋煮汁、豚肉味噌味?牛肉醤油味?【連載第19回】)
私が茨城に移り住んでから20年以上経ちますが、ずいぶん便利になってたんだなあ…。
「大黒様の御歳夜」のお膳で私が特に好きだった料理は、納豆汁でした。
納豆汁に使う納豆は大きなすり鉢とすりこぎで粒感がなくなるまで潰さなければいけないのですが、これが結構大変な作業。

…納豆汁、懐かしいなあ。実家を出てから食べてないや。
ちゃんと作ったことはないけど味は覚えているから、母に作り方を訊こうかな。今はネットでレシピも検索できるし。
茨城県は納豆県だからちょうどよかった。ハタハタやまっか大根は全然ないけど、納豆なら山ほどある。腐るほどある。いや、納豆はある意味、腐った豆だけど。
よし、じゃあ納豆汁を家族で作っておいしくいただいて、この冬を無事に過ごせるよう祈ってみるとしますか。

間をとって納豆の量を半分にすべきか、全潰しじゃなくて半潰しにすべきか。それが問題だ。
…というわけにもいかないので、夫が忘年会の夜にでも作って娘とおいしくいただこうと思います。