秋も深まり、冬の気配が近づいてきましたね。

先週スーパーへ行ったところ、鏡餅を見かけました。小さな猪の人形がちょこんと飾られていて、ほっこりと可愛らしかったです。

その一方でびっくりしました。「まだクリスマスどころかハロウィンすら終わっていないのに」と。

桜開花宣言時に冷やし中華、ゴールデンウイークに来年度のランドセル、お盆前にハロウィン。四季とその季節の象徴のズレが、年々どんどん大きくなっているような気がします。

もしかしてこれは、

 

 

思わずそんなあさってなことを考えてしまいました。ただの商業戦略だとはわかっているのですが。

 

 

話を冒頭に戻しまして。冬というと連想するものはたくさんありますが、白鳥もその一つかなあと思います。

白鳥というと

 

 

を連想される方も多いと思います。色も形も大きさもたたずまいも、全てにおいて優雅ですよね。「湖の妖精」「冬の妖精」と呼ばれるのもわかる気がいたします。

 

白鳥というと「THE・北国」というイメージですが、意外にも彼らは茨城にも訪れます。

 

 

余談ですが、茨城はリンゴの南限でもあるそうです。あとミカンの北限。

茨城の各地に飛来する白鳥の数は各地でまちまちで、50~350羽とのことです。水戸市に住んでいた時に大塚池公園で白鳥を見たことがあります。

故郷の酒田を思い出す、懐かしい光景でした。

 

なぜ白鳥で酒田を思い出すかと言いますと、酒田は白鳥の飛来数が日本一だからです。毎年約1万羽が訪れており、最上川の河口には最上川スワンパークがあります。

近年では鳥インフルエンザの影響により餌やりは禁止されていますが、酒田のあちこちの田んぼや上空でごく日常的に見かけることができます。

その白く気高く美しい姿を目にする度に、酒田の人々は目と心を清められ…

 

 

…てはいないようです。

こんな荒んだ感性はうちの両親だけだろうと思っていたら、いつも穏やかで優しい友人たちまで「あの鳴き声を聞くだけで寒くなる」「黙って飛べばいいのに」などと話していました。

酒田の厳しい冬の気候がそうさせてしまうのでしょうか。…すみません、ぶっちゃけ私自身も酒田に住んでいた時は大体同じ感想でした。

 

酒田で白鳥の飛来が初めて確認されたのは昭和41年(1966年)、7羽の白鳥が最上川河口に飛来してきたのを中学生が発見したそうです。

きっと友人や親、家族、先生、市職員、研究者、愛鳥家の方々に目をキラキラさせて報告したんだろうなあ。

しかし、それから約20~30年後の中学生は

 

 

と、愛鳥精神のカケラもない発言をして目をギラつかせていました。

お米育てるの、本当に本当に大変ですものね…私の中学校には農家の子が少なくなく、ゴールデンウイーク後は「ずっと田んぼの手伝いで疲れた」という子もいました。

さて、発見者でも農家の子でもない私はどうだったかと言いますと。

 

 

酒田市には飯盛山公園という大きな公園がありまして、公園内には日本で最初の写真専門の美術館・土門拳記念館があり、酒田市出身の写真家・土門拳(どもん けん、1909年~1990年)の約7万点の作品が収蔵され展示されています。

記念館の周りにはあじさいが見事な庭園や「拳湖」「白鳥池」と呼ばれる池があって、市民や観光客の憩いの場となっています。

ここでは怪我などでシベリアへ帰れなくなった白鳥が一時保護されていました。

友人と公園に遊びに来て拳湖の周りを散歩していると白鳥が姿を見せたので「めんご~♡」とおいでおいでしたところ、

3コマ目左下のような麗しい図になるどころか7コマ目のような地獄絵図になってしまったという次第です…。

 

湖の妖精、優雅どころか勇猛…いや、凶暴でした。妖精というかもう狂戦士。暴れん坊将軍。

後でわかったのですが。白鳥は縄張り意識や警戒心が強い鳥で、特に繁殖期には凶暴化することもあるとか。

…そら新品でお気に入りのオ○ムグッズの紙バッグをつつかれて破られても仕方ない、ケガしなかっただけでもよしとしよう…。

 

拳湖には白鳥の他に鯉もたくさんいて、帰省の際には母や娘と訪れて散策ついでに鑑賞して楽しんでおります。もちろん白鳥にはあれ以来一切手を出していません。むしろ避けて逃げております。

ここの動物を鑑賞するのは、もう鯉オンリーでオッケーです。

 

 

白鳥は遠くからそっとその美しさを愛でるぐらいでちょうどいいのかもしれませんね。とりあえず、今年も無事に越冬してほしいなあと思います。

白鳥はもちろん、人間も無事で。