最近立て続けに、複数のテレビ番組で酒田が取り上げられていました。思わず大声で別室にいた家族を呼んで一緒に見ました。とても懐かしくて嬉しかったです。
今に限ったことでも酒田に限ったことでもないのですが。テレビ番組で地方の人がバリバリの方言を話すと、たいてい字幕が出ますね。

うん、まあわかる。私もきっと西日本各地の濃ゆい方言は、ほぼ外国語に聞こえると思う。
外国語で思い出したのですが。中学の時の先生がフランスへ旅行した際、現地の方と親しくなって「日本語で『ありがとう』は何と言うのですか?」と訊かれたそうです。
そして、先生はこう答えたそうです。

よりにもよって、日本の人口約1億2千万人のうち30万足らずの人にしか通じない「ありがとう」を…。
そのフランスの方は嬉しそうに「モッケダノー、モッケダノー」と繰り返し唱え、そして別れた後もずっと「モッケダノ~、モッケダノ~♪」と歌うように帰っていったそうです。
…それでよかったのかな…まあミッテラン元大統領も「Et alors?(エ・アロール 、『それがどうしたの?』の意)」って言っていたらしいから、それでいっか。フランスだからいちいち重箱の隅を楊枝でほじくるのも野暮だろうし。
…ということにいたします。
そういえば、「庄内弁はフランス語に似ている」という話を何度か聞いたことがあります。
「実際のところ、本当に似ているのかな。だとしたらどれくらい似ているんだろう」と、ふと疑問に思いました。
そこで、ネットの翻訳機能を使って庄内弁をフランス語に翻訳してもらうことにしました。
手当たり次第に庄内弁を音声入力→フランス語で翻訳 という作業をたぶん百回くらい行った結果、かろうじてフランス語としても意味が成り立つかな?というものが結構あったので、以下に記します。
ただ、音声入力ということもあり綴りも意味もかなり不安定で不確かです。何より私自身にフランス語の知識がほとんどない。なので、なんちゃって的な遊びと捉えていただければ幸いです。




庄内弁、思った以上にフランス語でびっくりしました。実はとっても小粋なオシャレ方言だったのか!あいや、まんず嬉しごど!
するともしかして、オシャレ同士ということで庄内地方のどこかの市町村とフランスのどこかの市町村が姉妹都市だったりするかも?よっ、オシャレ姉妹!フランス美人に庄内美人!日仏美人姉妹!
…とウッキウキで調べたのですが、残念ながら庄内地方のどの市町村もフランスの市町村とは姉妹都市関係にありませんでした。ちょっと残念。
ところで。庄内地方、特に酒田とフランスにはもう一つ意外なご縁がありました。酒田にはフランス料理店が多いことです。
若い頃に、酒田の某社で働いていた時のことです。
ある日、県内のお偉いさんが集まった会議が開かれました。昼食を挟んだ会議だったので昼食も用意されたのですが、その昼食は酒田の老舗フランス料理店から出前をとったものでした。
「うわあ、さすが大物会議。昼食も大物なんだなあ」と、遠くから美しい盛り付けと芳しい匂いだけを勝手にごちそうになっていました。完全に別世界の料理だなあ…。
と思っていたら、会議終了後そっと課長に呼び止められました。

思いもよらぬ形で、幸運とおフランス料理様が仲睦まじくお手をおつなぎあそばして私のところへご降臨なさって下さいました。
もう気分は最高、メルシーでシルブプレでコマンタレブなメルべイユでした。
料理は、どれも全てにおいて最高でした。さすがは老舗の一流の技術によって、酒田の新鮮な食材で作られたフランス料理。味も香りも食感も盛り付けも食器も、何もかもがどこまでも本当に素晴らしかったです。

会議室は既に片付けられていて、次の会議が入っていました。余ったのは1人分だけだったので「他の社員に見られるといろいろ面倒になりかねないから」ということもあり、普段誰も来ない部屋でこっそりひっそりいただくことになったのです。
…料理って、食べる場所の雰囲気もとても大事なスパイスなんですね…。
その後、1~2回だけそのお店へランチを食べに行ったことはありましたが、気が付けばあれから約20年。
実家メンバーはフランス料理にあんまり興味がないし、友人たちともつい目新しいお店に行きがちだからなかなか「あの老舗フランス料理店に行こー!」という流れにならないものなあ。
次の帰省の時まで覚えていて、友人の誰かと話題になり都合やタイミングがバッチリ合ったら、久しぶりに訪れてみたいと思います。
今度は資料室のくたびれた本棚や段ボールでなく、お店の洗練された内装や調度に囲まれて。