本日のオフィスはここ。(YOHAKU DESIGNさんありがとう)

車のディーラーさん。

半年に1度車の点検や車検で訪れるこの場所で、私はMacBookを持ち込んで仕事をする。いや、タイヤ交換等を含めると、頻度はもっと高いかもしれない。
作業には一時間〜二時間程度かかるため、一気に集中するには良い場所だ。
コーヒーもおかわり自由だし、何よりピカピカ新車が目の前に並んでいるだけでワクワクする。時々運転席をのぞいてみては、深呼吸してみたり。「フム」「ウ〜ン、そう来たかぁ」と知った顔で意味も無く言ってみたりして。新車の匂いも素敵じゃぁないか!仕事?集中してないかもしれないな、コリャ。

そんなある日、敏腕営業さんから聞いた、胃が縮む話を今日はお伝えしようと思う。

 

胃が縮むなんてもんじゃない

結論から言おう。
「ドライブレコーダー」は買うべきだ。

最近にわかに耳にするようになった「ドライブレコーダー(通称:ドラレコ)」は、車の前方を録画しておくものだ。YouTubeなど動画サイトでも見た事があるだろう。
しかし今回の話は、私としたことが、おもしろ系の話ではない。時々深刻な話をするから気を抜かないでいてほしい。

あんなもん、録画なんぞしてどうするんじゃい。
スピード違反とか録画されたらロクなもんじゃない、などと思っていないだろうか。
あ、違反は良くないので交通ルールを守ってくださいね。

どんな話を聞いたかというと、ドライブレコーダーが運転者の証言を立証する証拠となる、ということだ。

 

死亡事故があった。
夜間にドライブレコーダー搭載の自動車で、道路に横たわっていた人を轢いてしまった。

通常警察の現場検証は、現場に残された状態と運転手本人の証言で事故を検証する。また、これについては保険会社も絡むため、過失割合の話も入ってくる。
被害者が怪我を負った場合、運転手本人の証言だけではなく相手の証言もテーブルに上がる。しかし、自動車対人の場合、運転手の過失は圧倒的に大きい。被害者が亡くなってしまった場合かつ証言する人が運転手以外にいない場合、運転手のみの証言はあまり考慮されず、過去の判例に倣い、大きな過失割合を負うことになる。10:0は免れないだろう。

自動車事故と言えば、筆者はかつて損害保険会社に勤めていたことがあるため、壮絶な状態しか思い浮かばない。仮に物損であったとしても、だ。

前述の事故の場合では、ドライブレコーダーから運転手がスピードを守り安全運転に配慮していたこと、夜間の濡れた黒い道路(凍結状態)で黒い服を着て道路に横たわっていた被害者を避けられなかった様子が克明に記録されており、不可避の公算が高いとの見方が出ており、本人の証言の裏付けになったということだ。スピードはGPSとドライブレコーダーとナビが連動しているもので、速度超過が無かったことも録画から分かっている。

私は、加害者の立場を擁護するためにこの記事を書いているのではない。
雪深い東北に住む者なら誰しもハッとする思いをしたことはあるだろう。
あるいは慣れない雪道で、止まれ、止まれ~~~~~と叫んだことがあるかもしれない。
(進め、進め〜〜〜〜〜の場合もあるが)
車の性能が上がっても、結局は人が運転する以上過失がどこかに潜んでいるのである。その過失を最小限に抑えるための手立てがある、と言いたいのだ。

 

残った2つのモノとは

最近は、車間距離を詰めて走る「あおり」運転が注目されている。「危険運転」である。
ドライブレコーダーは自車の後方を録画するものもあるので、危険運転から自分の証言を立証するのに役に立つことだろう。簡易的なものではなく、十分に相談(大蔵省と店員さんに)した上で選ぶと良い。

私はかつて、高速自動車道で自損事故を起こしたことがある。
霧雨で視界の悪い中、追い越し車線から私を追い抜いた一台の乗用車が、追い抜いて直ぐ目の前の車線に入ってきたのだ。あり得ないほど近かった。跳ね上げる水しぶきで前方の視界が遮られた。

当時の私の愛車は「NISSAN Skyline GTS-t Type-M」といい、恐ろしく低い車高と恐ろしく高い税金と恐ろしく加速の良い車だった。俗に言う、近づいてはならない車、である。
速いお車に乗っていると、ワザワザ車間距離を詰められることが少ないため(やったらコワイよ)一般道でも高速道路でも快適な運転ができるのだ。あおられるのは不快でしかない。安心して安全運転ができるのである。

仕事で福島へ行った帰りで、速いお車でありながら制限速度を守って快適運転していたのだが、このあり得ないほどの追い越し方をした輩を「追い抜いたろ」とアクセルを踏んだ途端に、これまた恐ろしい勢いで愛車は回転をし始め、同時に時間の流れがゆっくりとなり、後続に迫るトラックの運転手と目が合い、そのまま何回転かして道路脇のガードワイヤーに激突して止まった。何回転したのか数えてなかった。

どれだけの時間だったのか。速かったのか、感じた通りにゆっくり時間が過ぎたのか。

追い越し車線側に出かけたのに、なぜか左側の路肩に止まってくれた謎と、
恐ろしい額のローンの2つが残った。
今思えばあれは危険運転をされたんだよな。私の短気が事故を招いた、を差し引けば。(反省)
幸運にも怪我一つ負わなかったのだが、色んな意味で生きている気がしなかったし、再び高速道路に乗るようになるまでに随分と時間がかかったものだ。
物損でも、これである。

 

冬のせいではなく

今週の大雪の際にも、信号待ちをしている交差点で自損事故を目撃した。
四駆でも曲がれない時は曲がれないし、止まれないときは止まれないのだ。
信号機は高くつくぞ~。
対物補償で払えば良いと思っているかもしれないが、保険会社によっては、事故の度合いでは次年度以降保険の引き受けをしない場合が、私が保険会社に勤めていた時は、あった。うちでは引き受けできないですよ、他社へどうぞである。過失割合も忘れてはならない。自分の運転の正当性は、運転手の証言より物的証拠と過去の判例がもの言うのだ。

運良く引受会社が見つかったとしても、待ち受けているのは高い保険料と引き受けをするための条件である。しかし、保険会社は横の繋がりがあるため、事故情報はどの保険会社も知っているのだぞ。
最悪のケースは、引き受けの保険会社が無いこと。そうすると自賠責保険のみでの運転となる(いわゆる、無保険車)。自賠責保険は対物補償が対象外なため、そんな車が世を走っていると考えるだけでも寒気がする。冬のせいではない。自賠責保険は対人のみだが、賠償金の上限が定められている。それを補う役割が任意保険なのだが、任意保険は交通事故における加害と被害の因果関係を立証できないと請求すら難しいケースがある。つまり証言だけでは物証に乏しいのだ。

これが、私が皆さんに伝えたい「自分の証言を立証する証拠」が必要だと言う所以である。

 

任意保険会社によっては「ドライブレコーダー特約(ドラレコ特約)」なるものもあり、契約数も増えているそうだ(詳しくは、ご自分の保険会社にお問い合わせくださいね)。
私の勤務時代はゴールド免許とイモビライザー(盗難防止装置)とABSくらいだったなぁ~。自動車の装備品で補償が手厚くなったり保険料が割り引かれたりするため、更新の際はちゃんと相談して装備と補償の見直しをすると良い。面倒くさがって「去年と同じで」はナシだ。

 

「気付き」に気付く

正しく運転する者の証言を助けてくれるドライブレコーダー。
私はディーラーの営業さんから、だからウチで買ってよと言われたわけではない。私がこの人を敏腕というのは、気付きを与えてくれるからだ。私は、彼との会話から自分が持っていたドライブレコーダーの認識不足に気付かされた。ハズカシイ限りだが、知って良かったと心底思う。

テレビでは「驚愕の瞬間100連発」のように事故のその瞬間だけを切り取って見せているが、加害者にも被害者にも皆さんにはなって欲しくないのである。私のくだらない話にいつも付き合っていただいている数少ない読者の方には特にそう思っている。いつもありがとうございます。

 

なお、この敏腕営業さんから聞いた「嵐のコンサートは中年も楽しめる驚きの連続」の話は、またの機会にしよう。私はジャニーズに一生縁が無い人生を歩むと信じていたが、この「気付き」は「食わず嫌い、に縛られるな」である。櫻井くんとニノとあと、誰だっけ?あ、松潤?ニッキ?

 

笑って年を越して、笑って新しい年号を迎えられるように、ディーラーさんやカー用品店さんに相談してみるといい。私も年越しの準備はドライブレコーダーから始めようと思う。